新旧対照表方式〜改め等方式との併用(中)

岩手県における改め等方式との併用の扱いについて、気になる点を3点程挙げる。
1 岩手県方式の体裁
岩手県方式では、改め等方式を併用する場合は、改正する規定の順に規定することとされているため、改め文と新旧対照表とが混在することがあり、見栄えとしてはあまりよいものとはいえない感じがする(「新旧対照表方式〜改め等方式との併用(上)」参照)。
しかし、これは、あくまでも見栄えだけのことである。
2 特定語句をまとめて改めた後に当該語句を含む条を新旧対照表で改める場合の取扱い
特定語句を改め等方式によりまとめて改めた後に、当該語句を含む条を新旧対照表方式で改める場合に、当該語句を新旧対照表でどのように表記するか、「岩手県マニュアル」には明確に記載されていない。
しかし、この点は、新旧対照表においては下線を付した語句のみが改められるのだと考えるのであれば、あまり神経を使うことはないように思う。どのように扱ってもあまり問題はないであろう。
私は、改正前の欄には改正前の語句を、改正後の欄には改正後の語句を記載し、下線は付さないこととするのが、誤解を受けることもなく、よいのではないかと思う。
3 施行期日の書き分け
施行期日を書き分ける場合、いわゆる二段ロケット方式のように条建てにすることも考えられるが、岩手県では次のように行うこととされている。

施行日を異ならせる改正部分がある場合は、表の左側に1欄を設けて項番号を表示し、表を施行期日ごとに項に分ける。この場合において、施行期日に原則と例外の別がある場合は、原則的な施行期日を1の項とし、原則と例外の別がない場合は、上の項から施行期日の早い順とする。(岩手県マニュアルP103)

具体的には、次のようになる。

改正前改正後
(……)
第○条 ……○○○……。
(……)
第○条 ……△△△……。
(……)
第○条 ……×××……。
(……)
第○条 ……○○○……。
(……)
第○条 ……×××……。
(……)
第○条 ……△△△……。
備考 改正部分は、下線の部分である。
そして、この場合の附則の規定は、次のようにすることとされている。

施行期日を異ならせるために表を1の項、2の項のように項を設けた場合は、附則では、「表2の項の改正部分は、○○○年○月○日から施行する。」のように規定する。(岩手県マニュアルP108)

このやり方を徹底しようとすると、例えば「新旧対照表方式〜改め等方式との併用(上)」で記載した例のように新旧対照表が2つある場合に、そのうち一方について施行期日を別の日としたいときに、どのような特定をするか私は思いつかない。
一定の場合には、条建てにする必要もあり、このやり方だけでは対処できないのではないかと思う。