組織の責任

東京都檜原村において、村議会が住民訴訟で確定した村長に対する損害賠償債権を放棄する旨の議決をしたため、同村の住民が同村の代表監査委員に対し、村長に当該確定判決に係る損害賠償金の請求を目的とする訴訟を提起することなどを求めた訴訟において、東京高裁平成25年8月8日判決は住民の訴えを棄却したが、その理由の一つとして、同村の関係者の多くは、本件問題は村長の個人的な過失ではなく、村としての組織の責任であると受け止めていることを挙げている。
私の周囲にも、組織の責任ということを当然のように語る者がいる。しかし、この組織の責任とは何だろうか。私には、組織のトップが部下に責任を押し付けることであるように聞こえる。組織に何かあった場合は、そのトップが責任をとるのが当然ではないのだろうか。
それとも、単純に皆で責任を負おうというある意味日本的な判断なのだろうか。ただし、それが往々にして批判される責任の所在を曖昧にすることにつながるのだろう。