書き振りが気になる規定の例(4)

次の規定は、漁業法第16条である。

(定置漁業の免許の優先順位)
第16条 (略)
2 前項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
(1) その申請に係る漁業と同種の漁業に経験がある者
(2) 沿岸漁業であつて前号に掲げる漁業以外のものに経験がある者
(3) (略)
3 前項の規定において「経験」とは、その申請の日以前10箇年の間において、漁業を営み又はこれに従事したことをいう。以下第19条までにおいて同じである。
4〜14 (略)

第16条第3項は、一種の定義規定であるが、定義規定で「以下第19条までにおいて同じである」とは、今では記載しないであろう。同一の条だけでよければ「前項の規定において」を「この条において」とすれば足りるのであるが、このような場合は、第16条第2項第1号の「経験」に括弧を付けて定義するのがよいのではないか。
その書き方であるが、とりあえず第16条第2項の「経験」の定義であれば、漁業云々という文言は不要であり、例えば「その申請に係る漁業と同種の漁業に経験(その申請の日以前10年におけるものに限る。以下19条までにおいて同じ。)がある者」といった書き方が考えられる。