時限的な組織の規定方法

時限的な組織を設置する場合、例規の本則に書くべきだろうか、附則に書くべきだろうか。
例規の本則に書いて組織を廃止する際に該当部分を削る方法もあるだろうし、その附則に全て書くという方法も考えられるが、国の場合は、そのいずれでもない。例えば総務省自治行政局市町村課は、平成29年3月31日まで設置される時限的な組織であるが、その政令における規定は、次のようになっている。

総務省組織令
(市町村課の所掌事務)
第47条の2 市町村課は、次に掲げる事務をつかさどる。
(1) 地方公共団体の自主的かつ主体的な組織及び運営の合理化の推進について必要な助言その他の協力を行うこと。
(2) 市町村の合併、広域行政その他地方公共団体の機能の充実に関する政策の企画及び立案並びに推進に関すること。
(3) 地方自治法その他の地方公共団体に関する法律(法律に基づく命令を含む。)で総務省に属させられた地方公共団体の名称、市町村の廃置分合及び境界、市町村相互間の変更並びに郡の区域に関する事務に関すること。
(4) 中核市の指定に関すること。
(5) 地方自治法その他の地方公共団体に関する法律(法律に基づく命令を含む。)で総務省に属させられた地方公共団体の連携協約、協議会、機関等の共同設置、事務の委託、事務の代替執行及び組合に関する事務に関すること。
(6) 大規模な公有水面の埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等の特例に関する法律(昭和39年法律第106号)の施行に関すること。
附 則
自治行政局市町村課の設置期間の特例)
第9条 自治行政局市町村課は、平成29年3月31日まで置かれるものとする。
自治行政局市町村課の所掌事務の特例)
第10条 自治行政局市町村課は、第47条の2各号に掲げる事務のほか、当分の間、地方自治法の一部を改正する法律(平成23年法律第35号)附則第3条の規定によりなお従前の例によるものとされた地方開発事業団に関する事務のうち地方自治法その他の地方公共団体に関する法律(法律に基づく命令を含む。)で総務省に属させられたものをつかさどる。

これによると、国の場合は、組織及びその組織が存続する間所掌する事務については本則で規定し、その設置期間については附則で規定するが、その所掌事務のうちさらに時限的なものがある場合のその事務については附則で書くということになる。
組織について一覧性を重視すれば、その組織そのものについては時限的なものであっても本則で規定したほうが適当であるから、時限的であることとのバランスを考慮した規定の仕方ということであろう。