ふるさと納税に係る返礼品

ふるさと納税に係る返礼品送付の競争が過熱していることに対する指摘等を受け、総務省は、平成28年4月1日付けで総務大臣通知(以下「平成28年通知」という。)を発出しているが、重ねて、平成29年4月1日付け総税市第28号により「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」という件名の総務大臣通知(以下「平成29年通知」という。)を都道府県知事あて発出している。
平成29年通知では、次の返礼品は、ふるさと納税の趣旨に反するとして、送付しないように求めている。

  1. 金銭類似性の高いもの(プリペイドカード、商品券、電子マネー・ポイント・マイル、通信料金等)
    1. 使用対象となる地域や期間が限定されているものを含む。
    2. ふるさと納税事業を紹介する事業者等が付与するポイント等を含む。
  2. 資産性の高いもの(電気・電子機器、家具、貴金属、宝飾品、時計、カメラ、ゴルフ用品、楽器、自転車等)
  3. 価格が高額のもの
  4. 寄附額に対する返礼品の調達価格の割合(以下、「返礼割合」という。)の高いもの

これは、平成28年通知でも同様であるが、平成29年通知では、上記4の返礼割合については、返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体においては、速やかに3割以下とすることを求めている。
上記のものが返礼品として相応しくない理由として、平成29年通知等は、ふるさと納税の趣旨に反するとしか述べていない。平成29年通知には、「ふるさと納税制度は、ふるさとや地方団体の様々な取組を応援する気持ちを形にする仕組みとして創設されました」とあるので、これがふるさと納税の趣旨ということになるのだろうが、理由自体抽象的である。しかし、例えば返礼割合が高いものが適切でないとするのは、3割という数字が根拠があるかどうかは別として理解できないでもないが、資産性が高いということに着目して適切でないとするのは、どうも理解できない。
結局のところ、理屈云々より、とにかく生じた弊害を何とかしなければいけないということなのだろう。したがって、ふるさと納税を止めたくなかったら、国の言うことを聞けという通知なのだろう。
むしろ、返礼品は地方公共団体による寄附と言うこともできるだろうから、地方自治法第232条の2*1の規定に照らして適切でないという方が説得力があるように感じる。

*1:普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」という規定である。