製茶条例廃止断念

知事、提出を断念 静岡県製茶条例「廃止」議案
川勝平太知事は2日、静岡茶への味付けや異物の混入などを原則禁じた静岡県製茶指導取締条例を廃止する議案について、当初予定していた県議会9月定例会への提出はできないと述べた。廃止方針が明らかになって以降、茶業界や茶産地の自治体、消費者から反対意見が相次いでいた。
定例記者会見で質問に答え、「品質を落としてはならないという共通理解が県民にある。静岡茶のブランド力を上げるため、条例の精神は当然継承する」と述べた。
県によると、7月10〜28日に実施した県民意見公募(パブリックコメント)には167件が寄せられた。条例廃止に反対し、存続または改正を求める意見が約8割を占めたという。茶商工業者からは「商品開発競争に勝つために廃止が妥当」という意見も一定数あったとしている。
川勝知事に代わって一時登壇した経済産業部幹部は「さまざまな意見があることが分かった。県民と意見交換しながら新しい方向を模索したい」と述べた。
条例は1956年に施行された。食品衛生法で許されていても、うま味成分の添加や発色剤の使用を禁じ、香り付けのために花や果実などを混ぜたり、慶事用に金箔(きんぱく)を混入したりする際は県知事の許可が必要と規定している。
静岡新聞2017年8月3日配信

パブリックコメントが167件というのは、組織票的なものもあるとしても、かなり多い数であり、関心の高さがうかがえる。
意見の具体的な内容は確認できていないのだが、地元の茶商や生産者からの反対の声も強いようである。こうした人達は業界側の人達であるのだから、規制を必要と判断するのであれば、自主的な規制を模索してもいいと思うし、いずれにしろ、ブランド力の向上のために許可制をとるというのは健全な状態とは思えない。