『原課職員のための自治体財務』

kei-zuさんから表題の御著書をいただきました。ありがとうございました。
私は、財務所管課(財政課・会計課)の経験はなく、財務関係書籍はそれほど目にしているわけではないので類似図書との比較はできないのですが、全体を3章に分け、そのうちの1章(第2章)は、月ごとの事務を記載するなど、構成が巧みであり、また、とかく批判されがちな年度末の道路工事について(P34)など、自治体財務に関連する興味を引く話題なども取り上げながら複雑な自治体財務を分かりやすく説明されています。
私が特に興味を惹かれたのは、会計管理者を金庫番に例える件(P137)であり、出納機関の役割を表す言葉として言い得て妙だと感じたところです。また、公の施設の使用許可と使用料の賦課が別の処分だという点(P157)は、あまり意識したことがなかったので、なるほどと思ったところです。
本書は、読みやすい文体で、自治体財務全体をコンパクトに取り上げているので、初学者はもちろん、ある程度の経験者も財務に関する知識の整理等に最適の書籍だと思います。