新旧対照表方式〜導入自治体の意見から(その2)

例規の改正方式について新旧対照表方式を導入している自治体の職員の方の意見については、2008年8月15日付け記事「新旧対照表方式〜導入自治体の意見から」で少し取り上げましたが、次のとおりtihoujitiさん(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20090329)が、新旧対照表方式を導入している自治体の職員の方から聞かれた話を掲載されていました。

まず、移行のキッカケを伺ったところ、やはり、改め分を作る時間が勿体無いため、改め文作成のスキルを身につけるのに時間を要するため、また、普通の職員については、年に1回あるかないかの例規改正について「改め文」という特殊な技能を身につけるのはムダな部分が多いため、という感じでした。 
 (中略)
次に、現状の課題について伺ったところ、かなり渋い表情で、想定していなかった事例によりその場その場で対応しているのが現状、とのことでした。どうも、検討時間を割くことなく、勢いで移行してしまったようで、なかなか対応に苦慮する事例もあるようです。
  (中略)
次に、時間の省略に繋がったか伺ったところ、それほど変わっていない模様。条項ズレなどの軽微な改正の場合には、新旧対照表方式の方が、その作成に時間を要するようです。
  (中略)
最後に、議決に際する議員の変化について伺ったところ、「いや、別に」ということでした。話を伺った方は改め文方式に戻したいという意向を持っていましたが、1回変更して、すぐにまた戻すというのは、なかなか大変ですからねぇ。

どうも自治体職員からは、新旧対照表方式について肯定的な意見をあまり聞かないのは、気のせいでしょうか。
個人的には、例規の改正方法というものは、あまり世間的に関心を持たれる話題とは思えないので、敢えて新旧対照表方式を導入しようとするのかいうことについて非常に関心があります。
上記の例では、「改め文という特殊な技能を身につけるのはムダな部分が多いため」ということがその理由のようですが、誰がそのように言い出したかということが気になります。少なくとも例規審査担当の意見で新旧対照表方式を導入したのであれば、上記のように後悔することはないように思うのですが。
(参考) 過去に新旧対照表について記載した記事