2017-01-01から1年間の記事一覧

例規の立案で間違いやすい例(59)

独立行政法人環境再生保全機構に関する省令の一部を改正する省令(平成27年環境省令第13号) (略)第22条を第27条とし、同条の次に次の2条を加える。第28条・第29条 (略)第21条を第26条とし、17条から第20条までを5条ずつ繰り下げ、第16条の2を第21条…

例規の立案で間違いやすい例(58)

独立行政法人国立環境研究所の業務運営並びに財務及び会計に関する省令の一部を改正する省令(平成27年環境省令第12号) (略)第15条を第21条とし、同条の次に次の2条を加える。第22条・第23条 (略)第14条を第20条とし、第13条を第19条とし、第12条の2…

法律の規定の活用を条例で規定することについて

岡田博史『自治体コンプライアンスの基礎』(P109〜)*1によると、滋賀県野洲市では、行政手続法第36条の3の規定において、何人も、法令に違反する事実の是正のためにされる処分又は行政指導(根拠規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと…

NHKの受信料制度に関する最高裁判決

6日、最高裁は、NHKの受信料制度について合憲との判決を行ったが、その判事事項は、次のとおりである。 放送法64条1項は,受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であり、日本放送協会からの受信契約の申込みに対して受信設備設置…

本則・条項の冒頭に条項号を追加する改め文

本則又は条項の冒頭に条項号を追加する場合の改め文としては、「……の前に……を加える」という書き方と「第1○として……を加える」という書き方があるが、外山秀行*1「法令実務基礎講座(P162)」によると、最近の立法実務では、条と号には前者が、項には後者が用…

禁止事項を届け出させる意味

富士山の冬季登山届 静岡県強調、義務化検討は「窮余の策」静岡県は原則禁止として自粛を呼び掛けている富士山の冬季登山について、登山届の提出義務化に向けた検討に近く着手する。担当者は14日、静岡新聞社の取材に対し、冬季登山容認への方向転換と誤解さ…

選挙管理委員会の啓発等

選管職員、過労運転で死亡事故か 衆院選前の1カ月間休日ゼロ 川西市役所を捜索 兵庫県警衆院選の投開票日前日の21日に兵庫県川西市の選挙管理委員会に所属する職員の男(51)が勤務中に起こした死亡事故に絡み、兵庫県警川西署が自動車運転処罰法違反(過失…

債務負担行為と会計年度

kei-zuさん掲載の記事から Q 複数年度にわたる契約に係る増額変更に際し、当初に設定の債務負担行為の上限額の範囲内であれば、新たな債務負担行為の設定は不要ではないか?※当初契約時に「8%消費税」で複数年度の契約を行い、税率改定時に「10%消費税」…

東京都子どもを受動喫煙から守る条例

東京都において、議員提出の条例案として10月5日に可決された「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」は、執行部が検討している受動喫煙措置の理念条例的な意味合いものなのだろう*1。 以下、この条例を見て感じたことを記すこととする。 (目的)第1条 こ…

名詞の後の句点

私が住む市では、29日に市長選挙が行われるが、あわせて市議会議員補欠選挙が行われる。補欠選挙には4名が立候補しているが、その選挙公報における各候補者の記載が次のようになっている。 候補者A「○○市○○在住。」 候補者B「○○大学○○運営委員」 候補者C…

路上喫煙規制と屋内喫煙規制との調和とは

ちぐはぐ禁煙、軌道修正 「路上」より「屋内」厳しく2020年の東京五輪・パラリンピック開催を控え、飲食店での対応などで注目される受動喫煙防止対策。対策の強化を軸とした関連法案の提出は17年6月に閉会した通常国会では見送られたものの、罰則付きの条例…

猫等の殺処分をなくすことを目的とした条例の題名

最近、昨年(2016年)12月に猫等の殺処分をなくすことを目的とした条例が可決されていた記事を2件目にした。 1件目は、次の神戸市の事例である。 神戸市議会 野良猫不妊去勢を公費負担、初の条例可決神戸市議会は5日、市や獣医師会、市民団体などが連携し…

複数の特別職の給与の減額

秋田県知事3カ月無給 総額500万円 豪雨被害、県外でゴルフと飲酒で処分秋田県の佐竹敬久知事は13日、7月下旬の豪雨被害の際、県外でゴルフと飲酒をしていた問題で、自らの給料を来年1月まで3カ月間無給とし、期末手当も全額カットの処分とする条例案を県…

例規の立案で間違いやすい例(57)

子ども・子育て支援法施行規則の一部を改正する内閣府令(平成27年内閣府令第26号) (略)第33条見出し中及び同条中「第8条」を「第18条」に改め、同条を第36条とする。 これは、「第33条の見出し及び同条中……」とすべきだろう。

機関等の名称を規定する場合に根拠規定の引用が必要か

行政不服審査法施行令(審議会等)第17条 法第43条第1項第1号の政令で定めるものは、次のとおりとする。(1) 公認会計士法(昭和23年法律第103号)第46条の11に規定する資格審査会(2) 地方社会保険医療協議会(3) 司法書士法(昭和25年法律第197号)第67条に…

製茶条例廃止断念

知事、提出を断念 静岡県製茶条例「廃止」議案川勝平太知事は2日、静岡茶への味付けや異物の混入などを原則禁じた静岡県製茶指導取締条例を廃止する議案について、当初予定していた県議会9月定例会への提出はできないと述べた。廃止方針が明らかになって以…

学校給食費の徴収

自治体が徴収…教員の負担軽減狙い 文科省方針文部科学省は現在、全国の4分の3の市区町村で学校がしている給食費の徴収業務を自治体が直接するよう求める方針を決めた。未納の保護者への督促や多額の現金を扱うことが教職員の心理的負担と長時間勤務の一因…

職員定数条例

自治体における常勤の職員の定数は、地方自治法第172条第3項*1等の規定により条例事項とされている。 次の条例は、某県の職員定数条例である。 ○○県職員定数条例(定義)第1条 この条例で「職員」とは、知事、議会、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員…

「又は」「若しくは」

「又は」と「若しくは」の使い方については、あえて説明する必要はないと思うが、実際に使用する場合には、どちらを使うべきか悩むときもあり、法律・政令のレベルでも誤っている例もまれに存するところである。 次の規定は、「所得税法施行令の一部を改正す…

政令でこんな改正が……

地方税法施行令等の一部を改正する等の政令(平成28年政令第133号)(地方税法施行令の一部改正)第1条 地方税法施行令(昭和25年政令第245号)の一部を次のように改正する。附則第11条第32項を同条第33項とし、同条第16項から第31項までを1項ずつ繰り下げ…

追記

2017年8月10日付け記事「規則で権利義務に関する事項を定めることの可否」に追記しました。

規則で権利義務に関する事項を定めることの可否

私自身は直接確認していないのだが、半鐘さんやkei-zuさんが取り上げておられる、一部で、自治体の規則について定める地方自治法第15条に、政令に関する内閣法第11条や省令に関する国家行政組織法第12条第3項に相当する規定がないことから、規則に権利義務…

国における新旧対照表方式の実施状況

半鐘さん経由 明治以来の大改革を一歩ずつ私が行革担当大臣を務めていた時に、霞が関文学の頂点ともいえる、そして国民が誰一人として理解できない、改め文(あらためぶん、またはかいめぶんと読みます)をやめて、わかりやすい新旧対照表による改正でやろうと…

適切な文書とする視点

次の文書は、久繁哲之介氏が『地方行政』に連載している「働き方と、意識を改革せよ」で取り上げている某市が作成した文書である*1。 タイトル:○○市消防団 婚活パーティーを開催します。内容:○○市消防団員と一般女性との婚活パーティーを下記のとおり開催…

分かりやすい文書の功罪

文句をつけたくなる公的文書の圧倒的「わかりにくさ」(略)昨年出版された「やさしい日本語」(庵功雄著、岩波新書)には、わかりにくい公的文書をわかりやすくした「公的文書の書き換え」の例がいくつか出ています。その一つが、「保育園の入園について」…

公党の代表の二重国籍問題

蓮舫代表の戸籍公表宣言で民進党分裂のカウントダウンが始まった!? 有田芳生氏vs原口一博氏…あの山口二郎法政大教授も参戦民進党の蓮舫代表が台湾籍と日本国籍の「二重国籍」問題をめぐり、日本国籍の選択宣言をした証明として戸籍謄本を公開する意向を…

例規の立案で間違いやすい例(56)

独立行政法人通則法の一部を改正する法律等の施行に伴う国土交通省関係省令の整備に関する省令(平成27年国土交通省令第19号)(独立行政法人都市再生機構に関する省令の一部改正)第23条 独立行政法人都市再生機構に関する省令(平成16年国土交通省令第70号…

プロバイダーに対する規制

「ヘイトに実名開示義務」条例改正提案へ大阪市の吉村洋文市長は28日、特定の民族や人種への差別をあおるヘイトスピーチの抑止策として、インターネット上の動画投稿者の実名取得に向け、市条例の改正案を来年2月議会に提案したい考えを明らかにした。有識…

様式の目次

地方公務員等共済組合法施行規程等の一部を改正する命令(平成27年内閣府令・総務省令・文部科学省令第2号)(地方公務員等共済組合法施行規程の一部改正)第1条 地方公務員等共済組合法施行規程(昭和37年総理府令・文部省令・自治省令第1号)の一部を次…

二段階論

平成28年12月に議員立法として成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆるIR推進法)においては、必要な法制上の措置は、別途1年以内に講ずることとしている。このように、いわゆる二段階論が採られた理由について、立案担当者…