2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

自治体の例規審査に関する一考(上)

広島市暴走族追放条例に関する2007年9月18日の最高裁判決については、いろいろ議論がされているところだが、自治体の例規審査という観点からすると藤田宙靖裁判官の反対意見で次のように述べられている点について考えさせられることが多いであろう。 多数意…

例規の形式(14)(最終)〜その他(その3)

4 告示と公告 「例規の形式(10)〜要綱(その3)」で、補助(給付)要綱は、告示するのではなく、規則にしないものは公告すればいいということを記載したが、ここで告示と公告について取り上げておきたい。 告示と公告の違いは案外不明確であると思う。こ…

例規の形式(13)〜その他(その2)

2 例規の題名と発令形式 例規の題名は、条例であれば「○○条例」、規則であれば「○○規則」というように、その形式の名称を付けるのが一般的である。 しかし、訓令などでは「○○規程」という題名が付されることがある。服務規程とか文書規程といった訓令は、結…

例規の形式(12)〜その他(その1)

今回から、規則及び要綱以外の例規を中心に問題となりそうな事項について、何点か取り上げてみたい。 1 行政委員会の規程の発令形式 地方自治法第138条の4第2項は「普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにより、法令又は普通地方公共団体の条…

例規の形式(11)〜要綱(その4)

3 要綱の審査 要綱は、例規審査部門で審査すべきものなのだろうか。 もちろん、要綱を例規の一形式と位置付けるのであれば、当然例規審査部門で審査を行うのであろう。そして、藤島・要綱(P68)は、次のように要綱についても例規審査部門で審査をすべきとい…

例規の形式(10)〜要綱(その3)

(「2 要綱の内容と公表」の続き) (3) 予算執行の具現化としての「補助(給付)要綱」 補助金の交付は、要綱が用いられる主要な分野であるということができるであろう。そして、この補助要綱は、告示という形をとることも多いかと思う。 「例規の形式(…

例規の形式(9)〜要綱(その2)

2 要綱の内容と公表 要綱の性質を行政における内部的な事務処理規範と考えると、要綱は本来公表しなくても良いのだということになる。しかし、実際には告示されている要綱もあり、住民に公表した方が適当と思われるものもある。要綱はすべて告示すべきとい…

例規の形式(8)〜要綱(その1)

1 要綱を例規の一形式として考えるべきか 要綱の意義について、藤島・要綱(P67)は「要綱とは何かを定義する実定法上の規定は、現行法令上見当たらない。『広辞苑』(岩波書店)によると『地方公共団体が行政指導の際の準則として定める内部的規範。住民に対…

例規の形式(7)〜規則の内容(その6)

2 全執行機関に共通する事項 ・ 財務に関する事項 地方自治法施行令第173条の2は、「この政令及びこれに基づく総務省令に規定するものを除くほか、普通地方公共団体の財務に関し必要な事項は、規則でこれを定める」としている。 財務に関する事項は、予算…