2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

制裁として用いる公表に関するメモ(8)

6 対象者があらかじめ行うことが期待できない事項に関して勧告・公表を行うこととしているもの ○ 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (緊急時の措置)第9条 国家公安委員会は、特定の建物錠の特性を利用した特殊開錠を…

薬害肝炎に関する救済法案に関する雑感

薬害肝炎の問題については、2007年12月23日の福田首相の発言から、議員立法による救済という流れになっている。この立法という側面に着目して、現在のところ感じていることを記してみたい。 なお、この件を取り上げているブログで気が付いたものを、参考とし…

制裁として用いる公表に関するメモ(7)

5 対象が私的な契約であるため、勧告・公表を行うこととしているもの ○ 酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (紛争のあつせん又は調停)第20条 都道府県知事は、生乳等取引契約に係る紛争につき、その当事者の双方又は一方…

制裁として用いる公表に関するメモ(6)

4 行政目的を達成する手段の一つとして勧告・公表を行うこととしているもの ○ 畜産物の価格安定に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (原料乳の価格に関する勧告)第5条 農林水産大臣又は都道府県知事は、政令で定めるところにより、乳業者(酪農及…

改訂版の「ワークブック法制執務」を読んで

「ワークブック法制執務」の改訂に関して2度程取り上げてきたので、ざっと読み終えた感想のようなことを記しておきます。 まず、端書きに「新人からベテランまで幅広く活用していただけるよう改善工夫を加えて」いるとありますが、例えば改正方式の基準につ…

制裁として用いる公表に関するメモ(5)

3 特定の行政目的を実現するためには、罰則を用いるよりも粘り強く行政指導等を行うことが適当との判断で、勧告・公表を行うこととしているもの ○ 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (一般事業主の身体障害者又は知的障害者…

「ワークブック法制執務」入手顚末記

12月7日付けの記事で「ワークブック法制執務」の改定版はまだ目にしていないと記載していますが、この15日にようやく入手することができました。 私の場合、書籍の購入は、ほとんどネットを利用しているのですが、「ワークブック法制執務」についても、ネッ…

制裁として用いる公表に関するメモ(4)

(「2 行政処分を行うための基準設定が困難であること等により、行政処分・罰則という制度設計が困難なため、勧告・公表を行うこととしているもの」の続き) ○ 農業振興地域の整備に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (農用地区域以外の区域内にお…

制裁として用いる公表に関するメモ(3)

2 行政処分を行うための基準設定が困難であること等により、行政処分・罰則という制度設計が困難なため、勧告・公表を行うこととしているもの ○ 中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業の事業活動の調整に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> …

制裁として用いる公表に関するメモ(2)

1 まずは自主的な取組みを期待して、それが適切になされていない場合に勧告・公表を行うこととしているもの ○ エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく公表制度 <根拠規定> (合理化計画に係る指示及び命令) 第16条 主務大臣は、第一種エネルギー…

制裁として用いる公表に関するメモ(1)

以前「届出制とその規制手法について(追記)〜公表」で取り上げた際には、公表を制裁として用いることについて、あまり肯定的な記載はしていない。しかし、現実として公表を制裁として用いることはよくなされているので、それはどのような場合なのか、法律…

「ワークブック法制執務」の改訂に際して

「ワークブック法制執務」の改訂については、何人もの方が取り上げていらっしゃるのを拝見しました。やはり、法制執務に携わる者にとっては、大きな出来事であったと言えるのでしょう。 「ぎょうせい」のリーフレットでは、同書を「法制執務の最高権威書」と…

自治体の例規審査に関する一考(下)

自治体で例規審査を担当した人は、多かれ少なかれ国におけるやり方というものを意識するのではないかと思う。内閣法制局における審査について、松永邦男ほか『自治立法』(P335)では次のように記載されている。 内閣法制局における審査は、審査担当参事官と所…