2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

直接強制と即時強制

人の身体に直接実力を行使する仕組みとして、直接強制と即時強制があるが、自治体の条例においては、行政代執行法第1条の解釈から、前者の制度は設けることができないと解されている(鈴木潔『強制する法務・争う法務』(P88)参照)。したがって、条例におけ…

立入検査の規定における解釈規定

条例で立入検査の規定を置く場合に、あわせて法律の例にならって「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」という解釈規定を置く例がみられる。 こうした規定を置く理由は、行政上の立入検査は、裁判官の令状なしにその権限を付与するものであり…

行政上の義務履行を司法手続で求めることに関するメモ

須藤陽子『行政強制と行政調査』(P5〜)によると、行政執行法を廃止し、行政代執行法を制定する過程において、法制局が、各省と意見交換を行い、それを踏まえてまとめた、昭和23年1月22日付け「公法上の義務の履行強制制度の存廃(行政執行法第五條)」とい…

行政不服審査における議論から地方分権を考える

介護保険法において、要介護認定等の処分を市町村が行い、それに対する不服審査は都道府県に置かれる介護保険審査会が処理するというスキームが採られているのは、保険事務の引き受けをしぶる市町村の負担を軽減するという観点等からであるということについ…