2008-01-01から1年間の記事一覧

追記

2007年5月20日付け記事「自治体の組織(9)〜附属機関(その2)」に追記しました(文献の引用)。

例規の立案で間違いやすい例(7)

今回は、号の細分を全部改め、さらにその数が増える事例を取り上げます。 科学技術研究調査規則(昭和56年総理府令第33号)第4条第1号は、その細分としてイからチまでが設けられていましたが、地方税法施行規則等の一部を改正する等の省令(平成20年総務省…

新旧対照表方式〜改め等方式との併用(下)

岩手県では、新旧対照表の前に改め文を置かないこととしているが(2008年3月7日付け記事「続・新旧対照表方式(4)〜改め文」参照)、これは、新旧対照表以外に余計な語句をできるだけ書かないこととしているためとも考えることができる。そうすると、施…

新旧対照表方式〜改め等方式との併用(中)

岩手県における改め等方式との併用の扱いについて、気になる点を3点程挙げる。 1 岩手県方式の体裁 岩手県方式では、改め等方式を併用する場合は、改正する規定の順に規定することとされているため、改め文と新旧対照表とが混在することがあり、見栄えとし…

新旧対照表方式〜改め等方式との併用(上)

新旧対照表方式における改め等方式との併用については、以前も少し取り上げたことがあるのだが(2008年3月14日付け記事「続・新旧対照表方式(6)〜別表の改正と改め文の位置」)、岩手県における取扱いとして「岩手県法規案立案マニュアル」(以下このシ…

新旧対照表方式に関するブログを拝見して

最近、新旧対照表方式について書かれているブログを幾つか拝見しました。 その中で、「反則法制」(http://gan.bne.jp:8080/BLOG/index.html)を運営されている、おおさか政策法務研究会管理人さんには、過分なお言葉をいただき、ありがとうございます。 私…

例規の立案で間違いやすい例(6)

いささか古いのですが、次のような事例があります。 行政書士法の一部を改正する法律(昭和46年法律第101号)第1条 行政書士法(昭和26年法律第4号)の一部を次のように改正する。 (略)第16条第2号中「会の代表者その他」を削り、同条中第5号を削り、…

文理と違った解釈がなされている規定の取扱いに関するメモ

1 規定 行政事件訴訟法(無効等確認の訴えの原告適格)第36条 無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否…

例規の立案で間違いやすい例(5)

今回は、「及び」「並びに」の用い方が間違っているのではないかと思われる規定を見かけたので、それを取り上げます。 その規定とは、次の知的財産基本法第25条の規定です。 (所掌事務)第25条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。(1) 推進計画を作成し、…

規則委任の規定はすべて悪なのか

最近*1、北村喜宣先生の自治力シリーズをまとめて読ませていただいた*2。言うまでもないことであるが、このシリーズは、読みやすく、非常に有益なものであると思う。そして、『自治力の冒険』(P70〜)の「直罰それともワン・クッション?―義務づけ規定2様」…

遡及適用(下)

遡及適用の代表例として、給与改定を遡って行う場合が挙げられるが、このように一般的に遡及適用は、過去に生じた権利義務関係を変更するものであるといえる。そして、前回(「遡及適用(上)」)取り上げた駐留軍用地特措法の一部改正における遡及適用も権…

遡及適用(上)

少し前に、kei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20081019)が遡及適用について触れられており、その考え方は、遡及適用を行うべきでないのはどのような場合なのかという、言わば政策的な判断を行うときに非常に参考になると思います。ただし、どのよう…

条文の箇条書き

もちろん、こうしたギルド的な言葉の世界*1に対して批判も多い。言葉の閉鎖性が市民から法律や条例を遠ざけているとの批判ももっともである。批判はそのとおりであるが、批判をするときは対案を示すというのが私の立場である。具体例で考えてみよう。「職員…

例規の立案で間違いやすい例(4)

おそらく間違っているわけではないのかもしれませんが、便宜上このシリーズで取り上げます。 一事例を次に掲げる。 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成20年政令第263号) (略)(独立…

用字等の表記の一括改正(下)

岩手県における用字等の一括した改正は、規則(岩手県規則の用字等の表記の整備に関する規則(平成17年岩手県規則第72の2号))でも同様な内容になっているが、条例で改正しているもののほか、次の用字等の改正も併せて行っている。 「囲むこと」又は「記載…

用字等の表記の一括改正(上)

少し前になりますが、kei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080905)とwashitaさん(http://d.hatena.ne.jp/washita/20080905)が岩手県法規案立案マニュアルについて取り上げられていましたが、この中で用字等の表記を一括して改めたことが記載され…

施行期日の書き分け(4)(最終)

施行期日を書き分けたときに、「○○に係る部分」という特定をしている例をさらに取り上げてみる。 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成7年法律第65号)第45条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。(1) 第7条第2項、…

施行期日の書き分け(3)

「施行期日の書き分け(1)」及び「施行期日の書き分け(2)」で取り上げた平成17年法律第81号は、改正規定の一部を特定するのに「○○に係る部分」というやり方をしているが、同様な例として、次の例がある。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正…

施行期日の書き分け(2)

「施行期日の書き分け(1)」で記載した、平成17年法律第81号の第49条第1項の改正規定で追加する号を枝番号にしない例を再度取り上げる。 この法律の第49条第1項の改正規定のうち、平成17年10月1日施行の部分と平成18年4月1日施行の部分を逆にした場合…

施行期日の書き分け(1)

前回(2008年8月22日付け記事「施行期日を書き分けた場合における不都合なこと」)、施行期日を書き分けたときのことを取り上げたので、数回にわたってこのことを取り上げてみたい。 施行期日を書き分けている法律の例を次に掲げる。 障害者の雇用の促進等…

施行期日を書き分けた場合における不都合なこと

例規の一部について、施行期日を書き分ける場合があるが、この場合、一部の規定のみが施行されている状態のときには、厳密に考えるとおかしな状態になっていることがある。 例えば、新規制定の場合で、5章からなる条例を平成19年4月1日から施行することと…

新旧対照表方式〜導入自治体の意見から

新旧対照表方式については、以前まとめて取り上げたことがあったのですが、洋々亭さんのサイト(http://www.hi-ho.ne.jp/tomita/yybbs/)で新旧対照表方式について議論されており、そのなかで、既にこの方式を導入している自治体の職員の方の意見があったの…

どのような場合に目的規定を置き、趣旨規定を置くべきか〜税条例の場合

塩野宏「制定法における目的規定に関する一考察」『法治主義の諸相』(P46)では、行政法規でも趣旨規定が置かれている例として、消費税法、印紙税法などの租税実体法を挙げ、これは目的を書きにくいこととも関連しているのかもしれないとしている。 しかし、…

どのような場合に目的規定を置き、趣旨規定を置くべきか

条例等には、目的規定か趣旨規定のどちらかを置くことが通例であるが、どのような場合に目的規定を置き、どのような場合に趣旨規定を置くかという基準は明確ではない。 むしろ、林修三『法令作成の常識』(P146〜)に次のように記載されていることからすると…

例規集の改廃に伴う例規の整理とは

少し前のことだが、次のような例規を見かけた。 ○○市例規集の改版に伴う条例の整理に関する条例(目的)第1条 この条例は、○○市例規集の改版に伴い、現に効力を有する本市の条例(以下「条例」という。)について、当該条例の内容及び効力等に変更を生じな…

様式の追加

様式については、法律・政令のレベルで定められているものがほとんどないのだが(2007年9月10日付け記事「様式の表示(1)」参照)、最近、次のように政令で様式を追加する改正があった。 検察審査会法施行令等の一部を改正する政令(平成20年政令第218号) …

読替規定における略称等の使い方

読替規定における略称等の使い方について、法制執務研究会『新訂ワークブック法制執務』(P197〜)には、A法においてB法を準用し、必要な読替えをA法の中で書く場合に、A法において用いられている略称をそのまま用いることができるかどうかということと…

「順位」

「順位」の意義について、法令用語研究会『法律用語辞典』では「法律的効力の優劣又は法律上の地位の順序」とされている。したがって、順位を記載する場合、次のように「○○の順位は、△△の順序とする」とされる。 石綿による健康被害の救済に関する法律(特別…

「例規」と「法規」

このブログでは、条例等の審査を表す言葉として「例規審査」という言葉を使っている。「法規審査」と呼ぶのが一般的かもしれないが、あえてその言葉を使わなかったのは、単に「法」という言葉を使うのが嫌だったからである。 この「例規」と「法規」について…

例規の立案で間違いやすい例(3)

2008年1月18日付け記事及び同年2月1日付け記事以来久しぶりにこのシリーズを書くことにします。 少し前になるのだが、次のような事例を見かけた。 地方交付税法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成20年政令第153号)(地…