条例に「絵文字」は入れられるか?

長嶺超輝『47都道府県これマジ!?条例集』は、既に幾つかのブログで取り上げられているが、その中でkei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20091208)が触れていた同書(P52)で、『川俣町「友♡ゆう♡の日」を定める条例』がハートマークを使っていることについて、次のように記載している部分が気になった。

条例には、文字しか使ってはならないという決まりはなく、必要に応じて、さまざまな記号を用いて表記しても構わない。
自治体の歌を定める条例には、歌詞の他に五線譜が定められているものだし、「別記」「別図」というかたちで、図表や地図、自治体のシンボルマークなどを描き入れることもできる。したがって、条例の中にハートマークを使うことにも、技術的な支障はない。

私も、このブログでは、技術あるいは立法技術といった言葉をよく使っているが、この立法技術とは何かについて、大島稔彦『法令起案マニュアル』(P2)では、広義・狭義の2つの意味があり、一般的には後者の次のような意味であるとしている。

作り上げられた法政策をいわゆる法令の形式に文章化(これを「条文化」ともいう。)して、法令案の形にまとめるための知識(理論)・技術を指す。

上記著書では、五線譜やシンボルマークが条例で定められることがあることから、ハートマークを使うことも支障がないとしている。
しかし、五線譜やシンボルマーク自体は意味するところは明確であり、それをどのような形で例規上に表すかは、まさしく立法技術の問題といえるが、ハートマークは、人によってイメージするものは多様であり、それ自体何を意図するものなのかは明確とはいえないだろう。その意味で、ハートマークを例規に用いることができるかどうかは、立法技術以前の問題であり、五線譜やシンボルマークと比較するのは適当とはいえないだろう。
もちろん、上記著書が「技術的」と言っている意味が立法技術とは違った意味であるのであれば、話は別なのだが。