法令の名称の略称(その2)〜改正法令の附則にみられる例(1)

改正法令の附則において、改正前後の法令の名称の略称が置かれることがあるが、この点について、田島信威『最新 法令の読解法(4訂版)』(P364)には、次のように記載されている。

改正前後の法令を指し示すためには、「新法」「旧法」という略称が用いられることが多いが、ときには「改正後の法」「改正前の法」とか、題名を短縮して「改正後の特別措置法」「改正前の特別措置法」というように略称することもある。

次の例のように、「改正前の……」の「の」を省略する例もある。

日本年金機構法(平成19年法律第109号)
附 則
国家公務員共済組合法の一部改正に伴う経過措置)
第34条 前条の規定による改正前の国家公務員共済組合法(以下「改正前国共済法」という。)第3条第2項第2号ロの規定により設けられた組合(以下「旧組合」という。)は、施行日に解散するものとし、その一切の権利及び義務(附則第37条の規定により同条に規定する新設健保組合が承継することとされるものを除く。)は、前条の規定による改正後の国家公務員共済組合法(以下「改正後国共済法」という。)第3条第1項の規定により厚生労働省に属する職員をもって組織された組合(第3項及び次条において「厚生労働省共済組合」という。)が承継する。
2〜4 (略)

また、前掲書(P365〜)でも一部紹介されているが、次の例のように法律番号を略称にしている例もある。

国家公務員退職手当法の一部を改正する法律(平成17年法律第115号)
附 則
第3条 職員が新制度適用職員(職員であって、その者が新制度切替日以後に退職することにより新法の規定による退職手当の支給を受けることとなる者をいう。以下同じ。)として退職した場合において、その者が新制度切替日の前日に現に退職した理由と同一の理由により退職したものとし、かつ、その者の同日までの勤続期間及び同日における俸給月額を基礎として、この法律による改正前の国家公務員退職手当法(以下「旧法」という。)第3条から第6条まで及び附則第21項から第23項まで、附則第8条の規定による改正前の国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和34年法律第164号。以下この条及び次条において「法律第164号」という。)附則第3項、附則第9条の規定による改正前の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律(昭和48年法律第30号。以下この条及び次条において「法律第30号」という。)附則第5項から第8項まで、附則第10条の規定による改正前の国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律(平成15年法律第62号。以下この条及び次条において「法律第62号」という。)附則第4項並びに附則第11条の規定による改正前の特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第146号。以下この条、次条及び附則第6条において「法律第146号」という。)附則第4項の規定により計算した退職手当の額が、新法第2条の4から第6条の5まで及び附則第21項から第23項まで、附則第5条、附則第6条、附則第8条の規定による改正後の法律第164号附則第3項、附則第9条の規定による改正後の法律第30号附則第5項から第8項まで、附則第10条の規定による改正後の法律第62号附則第4項並びに附則第11条の規定による改正後の法律第146号附則第4項の規定により計算した退職手当の額(以下「新法等退職手当額」という。)よりも多いときは、これらの規定にかかわらず、その多い額をもってその者に支給すべきこれらの規定による退職手当の額とする。
2・3 (略)
国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)
附 則
(定年等による退職をした者に係る組合員の資格の継続に関する特例)
第13条の3 国家公務員法の一部を改正する法律(昭和56年法律第77号。以下「昭和56年法律第77号」という。)の公布の日において現に組合員であつた者で、その者に係る国家公務員法第81条の2第1項に規定する定年退職日(昭和56年法律第77号附則第3条の規定の適用を受ける者にあつては、昭和56年法律第77号の施行の日。以下この項及び附則第13条の5において「定年退職日」という。)まで引き続いて組合員であつたものが、国家公務員法第81条の2第1項又は昭和56年法律第77号附則第3条の規定により当該定年退職日に退職した場合(国家公務員法第81条の3(昭和56年法律第77号附則第4条において準用する場合を含む。)の規定により勤務した後退職した場合及び国家公務員法第81条の4(昭和56年法律第77号附則第5条において準用する場合を含む。)の規定により任用された後退職した場合を含む。以下「定年等による退職をした場合」という。)において、その者の組合員期間が10年以上であり、かつ、その者が退職共済年金の受給権者でないときは、その者は、当該退職に係る組合に申し出て、引き続き当該組合のこの法律の規定(長期給付に関する規定に限る。)の適用を受ける組合員となることができる。この場合において、長期給付に関する規定の適用については、その申出をした者の退職は、なかつたものとみなす。
2〜8 (略)

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