法令の名称の略称(その3)〜改正法令の附則にみられる例(2)

前回(「法令の名称の略称(その2)〜改正法令の附則にみられる例(1)」)に引き続き、改正法令の名称の略称の例を取り上げる。

<例1>
日本年金機構法(平成19年法律第109号)
附 則
第35条 施行日の前日に旧組合の組合員であった者(施行日に厚生労働省共済組合の組合員の資格を取得した者に限る。以下この条において「更新組合員」という。)は厚生労働省共済組合の組合員であった者と、旧組合の組合員であった期間(次に掲げる期間を除く。)は厚生労働省共済組合の組合員であった期間とみなす。
(1) (略)
(2) 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第105号。第4号において「昭和60年国共済改正法」という。)第1条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法第80条第1項の規定による脱退一時金(他の法令の規定により当該脱退一時金とみなされたものを含む。)の支給を受けた場合におけるその脱退一時金の額の算定の基礎となった期間
(3)・(4) (略)
2〜4 (略)
<例2>
地方税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第4号)
附 則
道府県民税に関する経過措置)
第3条 (略)
2〜10 (略)
11 第1条の規定(附則第1条第2号に掲げる改正規定に限る。)による改正後の地方税法の規定中法人の道府県民税に関する部分は、平成22年10月1日以後に合併、分割、現物出資若しくは現物分配(所得税法等改正法第2条の規定による改正後の法人税法(昭和40年法律第34号。以下「10月新法人税法」という。)第2条第12号の6に規定する現物分配をいい、残余財産の分配にあっては同日以後の解散によるものに限る。)が行われる場合、同日以後に解散(合併による解散及び破産手続開始の決定による解散を除く。)若しくは破産手続開始の決定が行われる場合又は同日以後に解散する法人の残余財産が確定する場合における各事業年度分の法人の道府県民税及び各連結事業年度分の法人の道府県民税について適用し、同日前に合併、分割、現物出資若しくは事後設立(所得税法等改正法第2条の規定による改正前の法人税法(以下「10月旧法人税法」という。)第2条第12号の6に規定する事後設立をいう。)が行われた場合又は同日前に解散(合併による解散を除く。)が行われた場合における各事業年度分の法人の道府県民税及び各連結事業年度分の法人の道府県民税については、なお従前の例による。
12   (略)
<例3>
雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成21年政令第296号)
船員保険特別会計の廃止に伴う経過措置)
第55条 (略)
2 暫定船員保険特別会計の最終会計年度の出納の完結の際、暫定船員保険特別会計に所属する積立金(以下この条において「積立金」という。)のうち、次に掲げるものに相当するものは、労働保険特別会計の労災勘定に積み立てられたものとみなす。
(1) 平成22年改正前船員保険法第3章第2節及び第5節から第7節までに規定する保険給付(船員法(昭和22年法律第100号)に規定する災害補償に相当するものに限る。)に充てるため積み立てられたもの(平成19年改正法第4条の規定による改正後の船員保険法(以下この条及び第59条において「平成22年改正後船員保険」という。)第53条第1項第6号に掲げる給付、平成22年改正後船員保険法第33条第3項に規定する下船後の療養補償に係る保険給付及び平成22年改正後船員保険法第4章第3節に規定する保険給付に充てるべき部分を除く。)
(2) 平成22年改正前船員保険法第3章第4節に規定する保険給付に充てるため積み立てられたものから次項の積立金を除いたもの(船舶所有者が負担した部分に相当するものに限る。)
3〜5 (略)

上記の例は、改正した年次等を付した略称にしている例である。
例1は、前回も取り上げたが、当該法令を公布した年次を付している例であり、比較的よく見る例である。
これに対し、例2は、区別される適用時期を、例3は、施行される年次を付している例であり、珍しい例といえる。