例規の立案で間違いやすい例(12)
今回取り上げる事例は、間違いというわけではないが、関連する事例をこのシリーズで取り上げたので、このシリーズで取り上げる。
地方税法施行規則の一部を改正する省令(平成23年総務省令第96号)
(略)
附則第6条中第9項から第11項までを削り、同条第12項を同条第9項とし、同条第13項を同条第10項とし、同条第14項中……に改め、同項を同条第11項とし、同条第15項を同条第12項とし、同条第16項を同条第13項とし、同条第17項を同条第14項とし、同条第18項中……に改め、同項を同条第15項とし、同条第19項を同条第16項とし、同条第20項を同条第17項とし、同条中第21項から第25項までを削り、第17項の次に次の1項を加える。
18 (略)
項の移動等の際に「第○条中第△項……」と引用する場合に間違いやすいということは、以前取り上げたが(2010年2月26日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(8)」及び2011年4月9日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(11)」)、上記の例は、間違ってはいないものの、何とも中途半端である。
冒頭「附則第6条中第9項から第11項までを削り」としているが、その次を「同条第12項を同条第9項とし」とするのであれば、「附則第6条第9項から……」として、あえて「中」を入れる必要はない。
また、「同条中第21項から第25項までを削り」としている部分があるが、「中」を入れるのであれば、その前の「同条第19項を同条第16項とし」の部分を「同条中第19項を第16項とし」とすれば、もっと改め文を簡略化することができる。
上記の改め文をできる限り簡略化しようとすれば、次のようになるだろう。
附則第6条中第9項から第11項までを削り、第12項を第9項とし、第13項を第10項とし、同条第14項中……に改め、同項を同条第11項とし、同条中第15項を第12項とし*1、第16項を第13項とし、第17項を第14項とし、同条第18項中……に改め、同項を同条第15項とし、同条中第19項を第16項とし*2、第20項を第17項とし、第21項から第25項までを削り、第17項の次に次の1項を加える。
18 (略)
(参考) 「例規で間違いやすい例」の記事一覧
- 2008年1月18日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(1)」
- 2008年2月1日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(2)」
- 2008年6月27日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(3)」
- 2008年10月10日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(4)」
- 2008年11月14日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(5)」
- 2008年11月28日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(6)」
- 2008年12月26日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(7)」
- 2010年2月26日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(8)」
- 2011年1月28日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(9)」
- 2011年2月18日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(10)」
- 2011年4月9日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(11)」