「法制執務詳解(新版?)」

法制執務詳解」は、自治体職員にとっては法制執務のバイブルとも言える書籍ですが、当初、私はこの改訂版を購入するつもりはありませんでした。しかし、100頁程増えたということで、内容的にどの程度変わっているのか興味があったので、結局購入してみることにしました。
ざっと目を通しただけですが、今回は、特に一部改正の方法について詳細な事例を取り上げており、「かゆいところに手が届く」ような内容になっていると言えます。改定前も、もともと引用事例は豊富だったものの、ややローカルルール的な記載が気になったのですが、改訂版は、ほとんど気になりませんでした。元々検索はしやすいので、手元に置いておくべき書籍ではないでしょうか。
とはいっても、このブログの性格上、気になった点を2点程取り上げておきます。
1点目は、表の改正方法です。同書(P507)には、次のような記載があります。

別表Aの部Bの款Dの項オの欄第1号中「□□」を「○△」に改め、同欄第2号を同欄第3号とし、同欄第1号の次に次の1号を加える。
 2 △△△△

横書きの例規の場合、号はかっこ書にするので、単に算用数字を用いている項目を号として捉えるのは適切ではないし、号として引用したいのであれば、表中の数字はかっこ書にすべきでしょう。
なお、上記で号で捉えている項目の左右には罫線があるので、項目を追加するのであれば、左右に罫線を入れたほうがいいと思います。
2点目は、おかしいというわけではないのですが、用語で「等」を取り上げている部分について(P609〜)、これまで法律では、仮名書きに続けて書く場合でも、「〜する等」としていましたが、現在は、公用文と同じように、「〜するなど」とする例が多くなっていると思います。平易な文章とすべきという観点からは後者の方が適当であり、そのような記載があってもよいのではないでしょうか。