一括法で委任された事項に関する雑感(1)〜指定猟法区域等の標識の寸法

以前kei-zuさんも取り上げていたが、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律で、都道府県知事が設置する指定猟法区域等を表示する標識の寸法を定めることが条例に委任された。法律の規定は、次のような規定になっている。

……標識に関し必要な事項は、環境省令で定める。ただし、都道府県知事が設置する標識の寸法は、この項本文の環境省令の定めるところを参酌して、都道府県の条例で定める。

上記の環境省令では、標識の様式を規定し、その様式に寸法も規定されている。つまり、標識の様式は環境省令で画一的に定められており、寸法のみが参酌基準になっているということである。
聞くところによると、自治体は、省令の基準そのものの撤廃を要求していたが、狩猟者の行動範囲は一の都道府県にとどまることはないため、標識の様式は全国同一のものにすべきとの考えから、寸法のみ条例に委任したということのようである。つまり、国においては、地方の要望により委任したという整理をしているのであろう。ここに、条例へ委任することについての確たる理念は見られない。
標識を定めることはよくあるが、一般的には規則事項にするか、それ以下の例規で定める事項であろう。さらに、ここで委任しているのは、寸法のみである。
ところで、条例に委任されている標識の寸法は幾つかあるのだが、特別保護指定区域の標識については、省令(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則第37条第2項ただし書)で委任されている。いささか……。