規制を行う場合の規定例〜動物愛護法の例

平成24年法律第79号により「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、一定の飼養施設を設置して動物の取扱業を行おうとする者を第2種動物取扱業者として届出義務を課すこととされた。
該当する規定は、次の改正後の法第24条の2である。

(第二種動物取扱業の届出)
第24条の2 飼養施設(環境省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)を設置して動物の取扱業(動物の譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示その他第10条第1項の政令で定める取扱いに類する取扱いとして環境省令で定めるもの(以下この条において「その他の取扱い」という。)を業として行うことをいう。以下この条において「第2種動物取扱業」という。)を行おうとする者(第10条第1項の登録を受けるべき者及びその取り扱おうとする動物の数が環境省令で定める数に満たない者を除く。)は、第35条の規定に基づき同条第1項に規定する都道府県等が犬又は猫の取扱いを行う場合その他環境省令で定める場合を除き、飼養施設を設置する場所ごとに、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める書類を添えて、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
(2) 飼養施設の所在地
(3) その行おうとする第2種動物取扱業の種別(譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示又はその他の取扱いの別をいう。以下この号において同じ。)並びにその種別に応じた事業の内容及び実施の方法
(4) 主として取り扱う動物の種類及び数
(5) 飼養施設の構造及び規模
(6) 飼養施設の管理の方法
(7) その他環境省令で定める事項

上記のとおり、具体的にどのようなものを届出の対象とするかについては、省令に委任されている。省令はまだ公布されていないようであるが、省令に関しパブコメが行われたときの資料によると、その内容は、次のとおりとすることを予定しているようである。

  • 飼養施設:動物の飼養施設は、人の居住部分と明確に区分できる場合に限り、少頭数毎にその飼養保管を別に委託する場合を除く。
  • 対象:非営利で譲渡、保管、貸出し、訓練、展示を業として行う者
  • 飼養頭数の下限
    • 大型動物および特定動物:合計3頭
    • 中型動物:合計10頭
    • それ以外の動物:合計50頭

ところで、この法の規定に関し、次のような解説がなされている。

飼養目的だけでは、届出の対象となる範囲を適切に整理することが困難であることなどから、不特定多数の者との関係に着目して対象とすべき動物の「取扱い」の特定がなされた従前の動物取扱業の枠組みを参考にして、第2種動物取扱業においても届出の対象の整理が行われたものと思われる。(衆議院法制局第三部第二課 津田樹見宗「人と動物の共生する社会の実現 動物の愛護及び管理に関する法律」『時の法令(No.1923)』(P42))

直接に使うことができる場合はほとんどないだろうが、規制を行う場合にどのような規定振りとするか考える際に、参考になる考え方ではないだろうか。