条例立案に関する研修に関するメモ(3)〜執行法務

条例の立案という観点からすると、2013年1月26日付け記事「条例立案に関する研修に関するメモ(2)〜体系」で記した項目でメインになるのは、あくまでも「立法法務」である。したがって、その観点からすると、「執行法務」において留意することは、担当する事務について条例の立案ということを意識付けることになってくる。
ここでは、まず条例立案の意識付けについて職員の異動サイクルに関連して触れることとし、その後で、その意識付けのための方法としてマニュアル作成上の工夫について触れることとする。
1 条例立案の意識付け
職員の異動サイクルを何年程度とすべきかについては、いろいろ意見はあると思うが、私は、特に専門性が要求されるような職場を除いては、3年程度とするのが適当だと思っている。
一つの職場での在籍期間を3年とすると、職員の担当する職務に対する取組について、次のようなサイクルを考えることができる。

  • 1年目:職務を熟知すること。
  • 2年目:職務に関する制度の検証、問題点の抽出
  • 3年目:制度改正の検討

3年目の制度改正の検討が、必要に応じ条例立案につながっていくと思う。まず、こうしたサイクルを意識させることが大切ではないだろうか。
2 意識付けの方法
条例立案も踏まえた意識付けの方法としては、いろいろと考えることができるだろうが、ここでマニュアルを取り上げるのは、現在では事務の執行に当たってマニュアルを用いることが当たり前になっている半面、その弊害も言われているからである。
私が目にするマニュアルは、事務をどのように行うかだけを記載したものが多い。そのようなマニュアルだと、漫然とマニュアルに従って事務を行うことになり、その執行に問題がないのか検証することが容易でない。
ところで、事務の執行に当たりよく言われることは、事務の根拠を確認するということである。事務の根拠を意識していれば、その検証も容易になる。
そこで、ここで提唱しておきたいことは、マニュアルには、その根拠となる法令等の条文を入れておくことである。たいしたことではないが、これだけで随分違うのではないかと感じている。
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