「自治体の法規担当になったら読む本」

kei-zuさんが出版された書籍を拝見して感じたことを若干記してみたいと思います。
この書籍は、法規担当として行う仕事全般を扱っているのですが、ページ数は例規審査に多くを割いています。法規担当の仕事の中心は、やはり例規審査であり、そのやり方を習得することが一番難しいということからだと思います。
例規審査のやり方の習得は、それなりに時間がかかるため、OJTで習得する部分が大きいのですが、私の場合、もちろん直接教えられることもあったのですが、先輩等が原課とやり取りしている内容を聞くことによって、どのように例規審査をやっていけばよいか学んでいった面も大きかったように思います。しかし、当時は、まだメールを頻繁に利用していない時期であったため、先輩等の仕事のやり方を見聞する機会が多かったからよかったのですが、現在のようにメールでやり取りすることが多かったとしたら、仕事の習得の仕方は随分変わっていたのではないかと思います。
このように例規審査のやり方を習得する方法も考えなければいけなくなっている時期に、このような書籍は時宜を得たものと感じました。ただ、私自身の経験では、法規担当になった時は、本を通読する余裕はありませんでした。そうした点からすると、さらに法規担当としての基本的な知識は原課の職員も必要なものでもあることからすると、「法規担当になったら読む本」というよりも「法規担当になる前に読む本」というのが私のこの書籍に対する感想です。
内容の中で個人的に大変参考になったのは、「検索のコツ」の部分です。新しい例規をピックアップするために検索のキーワードに「平成」という用語を加えるのも工夫の一つだという箇所は、なるほどと思いました。このような知識も、時代が変わって習得しなければいけないものの一つなのでしょう。