附属機関の委員の任期

附属機関の委員の任期は、どの程度にすべきであろうか。松本英昭『新版逐条地方自治法(第4次改訂版)』(P1055)には、いわゆる八条機関である国地方係争処理委員会の委員に関する記述において、次のように記載されている。

審議会等の運営の安定を図る観点からは、委員の任期は一定期間が確保されることが必要であるが、他方、常に委員に適任者を得るためには、委員を長期的に固定することは妥当でないため、一般的には、3年から5年を任期とする例が多くみられる。国地方係争処理委員会については、審査を90日以内に終え、審査の結果としての勧告又は通知等をするものとされており(法250の14)、一つの係争事件の処理に数年を要するようなケースが考えられないことから、委員の任期は3年とされたものである。紛争の処理を任務とする他の「八条機関」の例をみても、ほとんどが委員の任期を3年としているところである(中央更生保護審査会、社会保険審査会、労働保険審査会、公害健康被害補償不服審査会など)。

実際には、2年程度の任期にする場合もあるであろうが、結局のところ、他の類似のものを参考にして決めるということになる。
なお、補欠の委員の任期については、前任者の残任期間とするのが通例であるが、これについても、前掲書(P1055)に次のように記載されている。

委員の選任手続の便宜の外、委員の人選に当たつては、委員の構成のバランスについても一定の配慮がなされており、このような視点から、改めてすべての委員を任命し直す機会が必要であるとの考え方に立つものと考えられる。

しかし、全ての委員を任命し直さなくても、後任者を前任者の専門分野と同様の者とすれば足りるのではないだろうか。私は、審議の便宜のため、つまり、継続的に審議している案件について、できる限り途中から参加することを避けるためではないかと思っている。