章等の末条を繰り下げて、その次に条を追加する場合の改め文

章等の末条を繰り下げる場合、「第○章中第○条を第△条とする。」のように、その条が含まれる章を明示することとされている。
では、章等の末条を繰り下げて、その次に条を追加する場合に、それらの条が含まれる章等の明示は、どのようにするのだろうか。法律の例には、次のようなものがある。

<例1>
福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律(平成25年法律第12号)
   (略)
第19条中……に改め、第3章第2節中同条を第27条とし、同条の次に次の1条を加える。
第28条 (略)
<例2>
中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律(昭和61年法律第43号)
(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正)
第2条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を次のように改正する。
   (略)
第45条に見出しとして「(事業主に対する助成等)」を付し、同条中……を加え、同条を第52条とし、第5章中同条の次に次の2条を加える。
<例3>
文化財保護法の一部を改正する法律(平成16年法律第61号)
   (略)
第97条の4中……を加え、第6章第2節中同条を第180条とし、同節に次の1条を加える。
第181条  (略)

例1と例2の違いは「第○章中」の位置であるが、そもそも「第○章中」とするのは、章の末条を繰り下げる場合にその条が属する章を明示することからすると、その条を繰り下げる前に「第○章中」と表記すべきであろう。そして、そのような表記であっても、条を追加する部分にも当然かかっているものと考えることができる。そうすると、例1と例2を比較した場合には、例1の方が適当ということになる。
ところで、章等の最後に条を加える場合は、一般的に「第○章に次の1条を加える」とすることからすると、例3が最も適当であるように思える。しかし、実例としては、例1とするケースが多いのではないだろうか。