路上喫煙規制と屋内喫煙規制との調和とは

ちぐはぐ禁煙、軌道修正 「路上」より「屋内」厳しく
2020年の東京五輪パラリンピック開催を控え、飲食店での対応などで注目される受動喫煙防止対策。対策の強化を軸とした関連法案の提出は17年6月に閉会した通常国会では見送られたものの、罰則付きの条例制定を目指す東京都の対応など今後の議論の行方に目が離せない。防止対策の考え方や海外と比べた日本の現状などを厚生労働省健康局健康課の正林督章課長に聞いた。
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――路上喫煙に関しては、東京都内では千代田区や新宿区、豊島区などが禁止しています。
「日本では全国の1割強の自治体が路上喫煙を規制する条例を持つ。国としては受動喫煙を防ぎたいわけなので、条例のある自治体に対して、屋内禁煙との調和が取れるよう働き掛けを始めているところだ」
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日経産業新聞2017年10月6日

国が防ぎたいことがあるから自治体に働きかけるという主張を堂々と行っていることには、とにかくあきれてしまうのだが、それはさておき、路上喫煙の規制を一義的に受動喫煙の防止という目的のために行っている条例が存在するという認識を私は持っていない。例えば、千代田区における路上喫煙の規制は、「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」により行われているが、その目的規定は、次のようになっている。

この条例は、区民等がより一層安全で快適に暮らせるまちづくりに関し必要な事項を定め、区民等の主体的かつ具体的な行動を支援するとともに、生活環境を整備することにより、安全で快適な都市千代田区の実現を図ることを目的とする。

路上喫煙の規制は、千代田区の条例では生活環境の保全のために行っているのであって、受動喫煙を防ぐことは目的としていない。したがって、屋内禁煙との調和云々などと趣旨目的が違うものを並べていろいろ言うのは、筋違いとしか言いようがない。
さらに、上記記事のなかで、厚生労働省が検討している法案の内容について、同省健康課長が次のように発言している。

対策強化と聞くと、違反した時点で罰則と捉える人もいるかもしれないが、実際にはそうしたものではない。仮に違反した事業者がいた場合、まずは行政による指導や命令などで改善を促し、従わなかった際に過料という形となる。そうした点も含めて周知していく必要がある。

受動喫煙に関する罰則であれば、過料ではなく、罰金とすべきだと思うが、その辺りの考え方はどうなっているのだろうか。
なお、上記記事によると、厚生労働省健康課長は、元々は医者だったようである。