項建ての附則を条建ての附則へ改正する例

前回(http://d.hatena.ne.jp/hoti-ak/20070720)引用したtihoujitiさんの記事で取り上げていた「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成13年政令第4号)」第6条では資産流動化に関する法律施行令の附則を全部改正しているが、これは、項建ての附則を条建ての附則に改めるものである。ちなみに、同附則の改正前と改正後は、次のようになっている。

<改正前>
附 則
1 この政令は、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成12年法律第97号。以下「改正法」という。)の施行の日(平成12年11月30日)から施行する。
2 改正法附則第2条第1項本文に規定する旧特定目的会社に関する事項については、この政令による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律施行令の規定は、なお効力を有する。
<改正後>
附 則
 (施行期日)
第1条 この政令は、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成12年法律第97号。以下「改正法」という。)の施行の日(平成12年11月30日)から施行する。
 (経過措置)
第2条 改正法附則第2条第1項本文に規定する旧特定目的会社(次条において「旧特定目的会社」という。)に関する事項については、この政令による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律施行令の規定は、なお効力を有する。この場合において、同令第2条及び第4条第5号中「総理府令」とあるのは「内閣府令」と、同令第12条第1項中「金融再生委員会」とあるのは「内閣総理大臣」と、「総理府令」とあるのは「内閣府令」と、同条第2項中「総理府令」とあるのは「内閣府令」とする。
 (情報通信の技術を利用する方法)
第3条 前条の場合において、旧特定目的会社の取締役は、改正法附則第2条第3項の規定により同項に規定する事項を提供しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、当該優先出資の申込者又は特定社債の応募者に対し、その用いる同項に規定する方法(以下この条において「電磁的方法」という。)の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
2 前項の規定による承諾を得た取締役は、当該優先出資の申込者又は特定社債の応募者から書面又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該優先出資の申込者又は特定社債の応募者に対し、改正法附則第2条第3項に規定する事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該優先出資の申込者又は特定社債の応募者が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。

この場合、あえて条建てにする必要があるかどうかということも検討する必要があろうが、追加された新附則第3条は第2項があるので、附則全体の構成を考えた場合には条建てにした方が分かりやすいということはいえるであろう。
ただ、条建てにするにしても、現在であれば、次の「健康保険法等の一部を改正する法律」第13条の規定による国民健康保険法附則の改正のような方法がとられるのが一般的ではないか。

健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)
第13条 国民健康保険法の一部を次のように改正する。
    (略)
附則第1項を附則第1条とし、同条の前に見出しとして「(施行期日等)」を付する。
附則第2項を附則第2条とする。
附則第3項中……に改め、同項を附則第3条とする。
附則第4項中……に改め、同項を附則第4条とする。
附則第5項中……に改め、同項を附則第5条とする。
附則第6項中……に改め、同項を附則第21条第1項とし、附則第7項中……に改め、同項を同条第2項とし、附則第8項中……を削り、同項を同条第3項とし、附則第9項中……に改め、同項を同条第4項とし、附則第10項中……に改め、同項を同条第5項とし、同条に見出しとして「(特例退職被保険者等の経過措置)」を付し、同条の前に次の15条を加える。
(略 附則第6条〜第20条)
附則第11項を附則第23条とし、同条に見出しとして「(合併市町村における保険料の賦課に関する特例)」を付し、同条の前に次の1条を加える。
(略 附則第22条)
附則第12項中……に改め、同項を附則第24条第1項とし、附則第13項を同条第2項とし、附則第14項中……に改め、同項を同条第3項とし、同条に見出しとして「(国民健康保険に関する特別会計への繰入れ等の特例)」を付し、同条の次に次の1条を加える。
(略 附則第25条)
附則第15項を削る。
附則第16項を附則第26条第1項とし、附則第17項を同条第2項とし、附則第18項を同条第3項とし、附則第19項中……に改め、同項を同条第4項とし、附則第20項中……に改め、同項を同条第5項とし、同条に見出しとして「(高額な医療に係る交付金事業等)」を付する。
附則第21項中……に改め、同項を同条第27条とし、同条に見出しとして「(調整交付金の特例)」を付する。
附則第22項中……に改め、同項を同条第28条とし、同条に見出しとして「(検討等)」を付する。

どのような場合に附則を条建てにするかは、別途考えるべきではあろうが、このような改正は、自治体においても十分想定できる改正であると思う。