続・新旧対照表方式(6)〜別表の改正と改め文の位置

1 別表の改正
条例で規定している大部な別表というと、まず給与表が思い浮かぶが、新旧対照表方式においてこれを全部改正する程の改正がある場合にどのような方法によっているかについては、県レベルでは、次のように3つ程度に分類することができる*1
(1) 新旧対照表の中で改正している例(香川県*2
(2) 別表の全部改正は別条にして、「……を次のように改める」といった改め文を置いて改正している例(鳥取県新潟県*3
(3) 新旧対照表に続けて、「……を次のように改める」といった改め文を置いて改正している例(岩手県
新旧対照表方式とする以上、(1)とするのが最も素直なのであろうが、分量的にも事務的にも大変な面がある。
そうしたことも考慮してか、例えば那覇市では、次のような方法によっている。

○2007年12月28日付け那覇市公報
那覇市保育所設置及び管理条例の一部を改正する条例
那覇市保育所設置及び管理条例(1964年那覇市条例第8号)の一部を次のように改正する。

改正前改正後
[別表 別記][別表 別記]
備考 (略)

付 則
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
[改正前 別記]
別表(第2条関係)
(略)
[改正後 別記]
別表(第2条関係)
(略)

このような方法も一つの考え方だと思うが、「別記」という形で規定するのが嫌だという向きもあるだろう。
そもそも、全部改正する必要がある別表について、改正前のものを参照する必要性は薄いのではないかと思う。
そうすると、現実的な方法としては(2)の方式か(3)の方式ということになるが、(2)の方式は、施行日が同じで、本来なら別条にする必要がない場合にも別条にすることがどうだろうか。
(3)の方式がいいのではないだろうか。
2 新旧対照表に関する改め文の位置
別表の全部改正を1(3)による方式とした場合、そのための改め文は改正後の別表の前に置くことになる。そうすると、新旧対照表に関する改め文の位置も鳥取県のようにその前に置く方が普通であり、その方が適当だろう。
1(3)の方式によっている岩手県では、新旧対照表の部分に対する改め文はその備考欄に記載することとしている。これは、新旧対照表を用いた改正は、ある程度これを見れば分かるのであって、改め文は注意的に付しているということなのかもしれないが、バランス的にどうかと思ってしまう。

*1:愛媛県の例は、確認できなかった。

*2:職員の給与に関する条例の一部を改正する条例(平成19年香川県条例第75号)参照

*3:職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例(平成18年鳥取県条例第43号)、一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例(平成19年新潟県条例第75号)参照