改正土壌汚染対策法に基づく事務の手数料

土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第53号)により追加される事務の手数料の規定の仕方について、ネットで議論されていますので、取り上げてみることにします。
問題となるのは、改正法により追加される土染法第22条第2項の規定に基づく汚染土壌処理業の許可申請に対する審査事務と改正法附則第2条の規定により準備行為として行われる当該審査事務をどのように規定するかということでしょう。
まず、改正法の関係部分を次に記載します。

土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第53号)
(略) 
第9条の見出し中……に改め、同条を第12条とし、同条の次に次の1条、1節及び1章を加える。
   (略) 
(汚染土壌処理業)
第22条 汚染土壌の処理(当該要措置区域等内における処理を除く。)を業として行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、汚染土壌の処理の事業の用に供する施設(以下「汚染土壌処理施設」という。)ごとに、当該汚染土壌処理施設の所在地を管轄する都道府県知事*1の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。 
(1)〜(5) (略)
3〜9 (略)
   (略)   
附 則 
(施行期日)
第1条 この法律は、平成22年4月1日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第14条の規定は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(準備行為)
第2条 この法律による改正後の土壌汚染対策法(以下「新法」という。)第22条第1項の許可を受けようとする者は、この法律の施行前においても、同条第2項の規定の例により、その申請を行うことができる。
2・3 (略)  (略)

これらの事務について手数料を徴収するために条例で規定するに当たっては、もちろん二段ロケット方式によってもいいでしょうし、それが正統なやり方だと思います。しかし、二段ロケット方式による場合には、各自治体の手数料条例の体裁にもよるのですが、改正法附則第2条の規定に基づく事務は、あくまでも土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第53号)に基づく事務であって、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)に基づく事務と考えるべきではないと思いますので、その点には留意する必要があるでしょう。
ただ、私は、必ずしも二段ロケット方式にこだわる必要はないと思います。改正後の土染法第22条第2項の規定に基づく事務は、当然条例の本則を改正して追加することになるのですが、改正法附則第2条の規定に基づく事務は、条例の附則で規定してもよいのではないでしょうか。そして、その際には、制定附則に追加してもよいのですが、改正附則に規定するのでも十分だと思います。

*1:第64条(改正前第37条)は「都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市(特別区を含む。)の長が行うこととすることができる」としており、これを受けて現行土壌汚染対策法施行令第10条は、当該政令で定める市として政令指定都市中核市特例市等を規定している。