改正後の法令の題名に付された略称は改正前の法令の題名に及ぼすことができるか

法令の題名の改正が行われ、改正後の題名に略称が置かれた場合に、その略称を改正前の題名にも及ぼすことができるであろうか。
次のような例がある*1

高齢者の医療の確保に関する法律施行令(平成19年政令第318号)
(法第18条第1項に規定する政令で定める生活習慣病
第1条 高齢者の医療の確保に関する法律 (以下「法」という。)第18条第1項に規定する政令で定める生活習慣病は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の生活習慣病であって、内臓脂肪(腹腔内の腸間膜、大網等に存在する脂肪細胞内に貯蔵された脂肪をいう。)の蓄積に起因するものとする。
附 則
(老人保健法の改正に伴う高額医療費の支給に関する経過措置)
第3条 平成20年3月以前に行われた療養に係る健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号。附則第12条において「健康保険法等改正法」という。)第7条の規定による改正前の老人保健法(昭和57年法律第80号。附則第9条において「平成20年4月改正前老健法」という。)の規定による高額医療費の支給については、なお従前の例による。

高齢者の医療の確保に関する法律」は、平成18年法律第83号により老人保健法の題名が改められたものである。
上記政令の第1条で、「高齢者の医療の確保に関する法律」に「法」という略称を置いているが、附則第3条で改正前の題名である老人保健法を引用するときに「法」とはせずに、正式な題名を記載している。同じ法律であっても名称が異なるため、略称が及ぶことは適当ではないという配慮であろうか。

*1:私がなぜこの事例を知ることとなったかは記憶していない。仮に、既に他の方が記事等にされていた場合には、御容赦ください。