条例立案に関する研修に関するメモ(2)〜体系

1 自治体法務の体系
自治体法務は、一般的に「立法法務(Plan)」「執行法務(Do)」「評価・争訟法務(See)」に区分して論じられることが多い。そして、その順序は「Plan→Do→See」とするものと、「Do→See→Plan」の順番とするものがあるが、前者が多いようである*1。これは、執行法務はあくまでも立法がなされていることが前提であるということであろうか。
2 「Plan」を先にするか、「Do」を先にするか
一般的に職員は、いきなり立法法務を行うことはなく、通常の事務(執行法務)を行うなかで問題が生じた場合に条例の立案(立法法務)を考えることが通常であろう。したがって、「Do」を先にするのが適当と考える。
3 「See」について
「評価法務」については、条例評価といったこともなされるような向きもあり、私もその必要性は否定しないものの、通常の政策評価の中で考えるべきであって、学問的にはともかく実務において特別に条例だけ切り出してその評価を語ることについては疑問を持っている。したがって、特に項目として設けることはしない。必要に応じて「執行法務」の中で取り上げれば足りる。
「争訟法務」については、自治体法務という観点では重要な項目であるが、条例立案に関する研修の中では、触れる必要はないと考えている。
したがって、ここでは「執行法務」「立法法務」という区分けをしておくことにする。
4 結論
「執行法務(Do)」→「「立法法務(Plan)」とする。

*1:「Plan→Do→See」とするものに鈴木庸夫『自治体法務改革の理論』、磯崎初仁『自治政策法務講義』など、「Do→See→Plan」とするものに北村喜宣他『自治政策法務』などがある。