法律における届出等の義務違反に対する制裁等について(上)

届出や報告は、一般的に行政調査のための一手法として用いられるが、その違反を防止するためにどのような制裁等を科すこととしているか、ここに記しておくことにする。
今回取り上げるのは、制裁としては一般的な手法である刑罰と過料である。
1 刑罰 
規定例としては、次の「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」の例など数多い。

特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律
(変更の届出)
第13条 第一種フロン類回収業者は、第9条第2項各号に掲げる事項に変更(主務省令で定める軽微なものを除く。)があったときは、その日から30日以内に、主務省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 (略)
第57条 第13条第1項又は第28条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、30万円以下の罰金に処する。

なかには懲役まで規定する例もあるが、一般的には罰金、それもこの例のように30万円以下とするものが多い。
2 過料 
規定例としては、次の「PTA・青少年教育団体共済法」の例などがあり、これも数多い。

PTA・青少年教育団体共済法
(共済規程)
第6条 (略)
2  共済規程の変更(軽微な事項その他の文部科学省令で定める事項に係るものを除く。)は、行政庁の承認を受けなければ、その効力を生じない。
3  共済団体は、前項の文部科学省令で定める事項に係る共済規程の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。
4・5 (略)
第28条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その違反行為をした共済団体の理事又は監事は、20万円以下の過料に処する。
(1) 第6条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
(2)〜(4) (略)

この例のように20万円以下とするもの、あるいは10万円以下とするものが多い。