公表の際の秘密事項への配慮

公表をする事項について、その秘密を保護する必要があることがある。そのような場合、次の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の例のように、その全てを公表するのではなく、概要を公表することとしている例がある。

(技術提案の改善)
第13条 発注者は、技術提案をした者に対し、その審査において、当該技術提案についての改善を求め、又は改善を提案する機会を与えることができる。この場合において、発注者は、技術提案の改善に係る過程について、その概要を公表しなければならない。
2  (略)

この規定について、次のような解説がある。

(第13条は)いわゆる「技術的対話」について規定しており、それは、技術提案を求める場合に、入札段階前の審査の段階において、提案内容を吟味し、技術的な改善の余地がある場合などに提案者に対して提案内容の改善を求めるものである。その際、発注者と受注者が顔を合わせることで不正を生むのではないかとの懸念もあることから、その過程の概要の公表を義務付けている。過程の概要の公表により、責任の所在が明確になり恣意性の排除にもつながるものと考えている。なお、対話の内容すべてでは企業秘密に係る部分も含まれることから、概要を公表することとしたものである。(衆議院法制局第4部第2課 東真生「ジュリストNO.1298」)

秘密事項へ配慮をしつつ公表する場合に参考となる方法である。