年齢の表記

以前、kei-zuさんが、年齢は「年齢のとなえ方に関する法律」により満年齢で表記することとされているため、法令においては「満○歳」とは表記しないということを記載されていた。
私はあまり意識したことがなかったのだが、見てみると確かに「満○歳」とはしていない例が多い。しかし、中には「満○歳」と表記しているものもある。
次の「一般職の職員の給与に関する法律」がその例である。

一般職の職員の給与に関する法律
(扶養手当)
第11条 (略)
2 扶養手当の支給については、次に掲げる者で他に生計の途がなく主としてその職員の扶養を受けているものを扶養親族とする。
(1) (略)
(2) 満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び孫
(3) 満60歳以上の父母及び祖父母
(4) 満22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある弟妹
(5) (略)
3・4 (略)

「満○歳」と表記する法律は厚生労働省が所管する法律に多く見られるが、「満○歳」と「○歳」とを書き分けている例もある。
まず、次の母子保健法の例である。

母子保健法
(用語の定義)
第6条 (略)
2 この法律において「乳児」とは、1歳に満たない者をいう。
3 この法律において「幼児」とは、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
4〜6 (略)

母子保健法は、年齢を表記する場合には基本的に「満○歳」としているが、第6条第2項の場合に「満1歳」とすると「満1歳に満たない……」と「満」が重なるため、それを避けたのではないかと思われる。
次の知的障害者福祉法のような例もある。

知的障害者福祉法
(更生援護の実施者)
第9条 (略)
2 (略)
3 前2項の規定にかかわらず、児童福祉法第24条の2第1項若しくは第24条の24第1項の規定により障害児入所給付費の支給を受けて又は同法第27条第1項第3号若しくは第2項の規定により措置(同法第31条第4項の規定により同法第27条第1項第3号又は第2項に規定する措置とみなされる場合を含む。)が採られて障害者自立支援法第5条第1項の厚生労働省令で定める施設に入所していた知的障害者が、継続して、第16条第1項第2号の規定により入所措置が採られて、同法第29条第1項若しくは第30条第1項の規定により介護給付費等の支給を受けて、又は生活保護法第30条第1項ただし書の規定により特定施設に入所した場合は、当該知的障害者満18歳となる日の前日に当該知的障害者の保護者であつた者(以下この項において「保護者であつた者」という。)が有した居住地の市町村が、この法律に定める更生援護を行うものとする。ただし、当該知的障害者満18歳となる日の前日に保護者であつた者がいないか、保護者であつた者が居住地を有しないか、又は保護者であつた者の居住地が明らかでない知的障害者については、当該知的障害者満18歳となる日の前日におけるその者の所在地の市町村がこの法律に定める更生援護を行うものとする。
4・5 (略)
6 その設置する福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)に知的障害者の福祉に関する事務をつかさどる職員(以下「知的障害者福祉司」という。)を置いていない市町村の長及び福祉事務所を設置していない町村の長は、前項第3号に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするもの(次条第2項及び第3項において「専門的相談指導」という。)であつて18歳以上の知的障害者に係るものについては、知的障害者の更生援護に関する相談所(以下「知的障害者更生相談所」という。)の技術的援助及び助言を求めなければならない。
7 (略)

知的障害者福祉法は、「満18歳となる日」というように時点をとらえる場合には「満○歳」と表記して、それ以外の場合には単に「○歳」と表記しているようである。
なお、「満○歳」という表記ではなく、「年齢○○歳」とする例もある。次の地方税法がその例である。

地方税法
(所得割の課税標準
32条 (略)
2 (略)
3 所得税法第2条第1項第40号に規定する青色申告書(第8項において「青色申告書」という。)を提出することにつき国の税務官署の承認を受けている所得割の納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族(年齢15歳未満である者を除く。)で、専ら当該納税義務者の営む同法第56条に規定する事業に従事するもの(以下この項において「青色事業専従者」という。)が、当該事業から同法第57条第2項の書類に記載されている方法に従いその記載されている金額の範囲内において給与の支払を受けた場合には、同条第1項の規定による計算の例によつて当該納税義務者の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額及び当該青色事業専従者の給与所得の金額を算定するものとする。前年分の所得税につき納税義務を負わないと認められたことその他政令で定める理由により同条第2項の書類を提出しなかつた所得割の納税義務者に係る青色事業専従者が当該事業から給与の支払を受けた場合において、第45条の2第1項第2号に掲げる事項を記載した同項の規定による道府県民税に関する申告書(当該事項の記載がないことについてやむを得ない事情があると市町村長が認めるものを含む。)を提出しているとき(その提出期限後において道府県民税の納税通知書が送達される時までに提出しているときを含む。)及び同項ただし書の規定により道府県民税に関する申告書を提出する義務がないときも、同様とする。
4〜16 (略)