一部改正(条等)

削った条を追加すること

条を全部改正するのでなく、一旦削った後に追加することは、全く用例がないわけではないが、原則は行うべきではないだろう。 そうすると、次の一部改正命令は、どうなるだろうか。 地方公務員等共済組合法施行規程等の一部を改正する命令(平成27年内閣府令…

本則・条項の冒頭に条項号を追加する改め文

本則又は条項の冒頭に条項号を追加する場合の改め文としては、「……の前に……を加える」という書き方と「第1○として……を加える」という書き方があるが、外山秀行*1「法令実務基礎講座(P162)」によると、最近の立法実務では、条と号には前者が、項には後者が用…

政令でこんな改正が……

地方税法施行令等の一部を改正する等の政令(平成28年政令第133号)(地方税法施行令の一部改正)第1条 地方税法施行令(昭和25年政令第245号)の一部を次のように改正する。附則第11条第32項を同条第33項とし、同条第16項から第31項までを1項ずつ繰り下げ…

枝条を含む連続する4以上の条の移動〜その4

条ではないが、枝号を含む連続する4以上の号の移動について、次の法律における事例があった。 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律(平成27年法律第66号)(総務省設置法の一部改正)第6条 …

号と項をまとめて追加する例

既存の条項に号を追加するとともに、その条に項を追加する場合、通常は、別の改め文で追加することになる。一般的な法制執務の解説書でも、号の追加と項の追加は、別々に説明している。 しかし、これをまとめて追加する例がある。例えば、「独立行政法人国際…

章等の末条を繰り下げて、その次に条を追加する場合の改め文

章等の末条を繰り下げる場合、「第○章中第○条を第△条とする。」のように、その条が含まれる章を明示することとされている。 では、章等の末条を繰り下げて、その次に条を追加する場合に、それらの条が含まれる章等の明示は、どのようにするのだろうか。法律…

どこまで合理的な改め文とするか

一般的に例規の改正は、できるだけ合理的に行うこととし、改め文は、できるだけ短いものとすべきものとされている。 ところで、次のような改め文がある。 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第53号)(暴力団…

枝条を含む連続する4以上の条の移動〜その3

2011年3月26日付け記事「枝条を含む連続する4以上の条の移動〜その2」に、次のようなコメントをいただきました。 改め文は、記載の順序の通りに順次適用していくものと理解しています。そこで、一部改正の施行前に「71条、72条、73条、73条の2、……」とい…

枝条を含む連続する4以上の条の移動〜その2

2011年2月18日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(10)」で取り上げた省令で、次のように枝条を含む連続する4以上の条の移動を行っている部分がある。 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成22年厚生労働省令第107号)(労働保険の保険料の…

複数の条等に同じ内容の後段を設ける例

例規の一部改正で、同一の語の改正のみが数条にわたるときには、他の改正が中途に加わらない限り、まとめて「第A条、第B条及び第C条中「○○」を「××」に改める」とすることとされている(法制執務研究会『新訂ワークブック法制執務』P350))。 では、これが…

共通見出しは改正せずに条のみ全部改正する場合の改め文

条を全部改正するが、その前の共通見出しは何も改めたくない場合に、 第○条を次のように改める。第○条 ………。 という改め文を書いて、例規編集において共通見出しが削られてしまったという例をtihoujitiさん(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20100418)さん…

「その次に次のように加える」

所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)(租税特別措置法の一部改正)第5条 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)の一部を次のように改正する。 (略)第41条の2第2項第12号を同項第13号とし、同項第11号ニ中「イからハまで」を「イから…

枝条を含む連続する4以上の条の移動

連続する4以上の条を移動する場合には、まず最後尾のものを「第○条を第△条とし」という形で移動を行い、他の3以上の条はまとめて移動する(法制執務研究会『新訂ワークブック法制執務』(P459)参照)。 例えば、第4条から第7条までを2条ずつ繰り下げる場…

第1項を追加する改め文

例えば2項からなる条に第1項として項を追加する場合には、次の2通りの改め文がある(前田正道『ワークブック法制執務(全訂)』(P400〜)参照)*1。 <例1> 第○条第2項を同条第3項とし、同条第1項を同条第2項とし、同項の前に次の1項を加える*2。<…

なぜ『「○○」の前に「△△」を加える』としないのか

最近、横書きの例規で『「○○」の前に「△△」を加える。』という改め文を見て、びっくりした*1。もちろん、「○○」は、その条の冒頭の語句ではあったのだが、これはなしだろうと思ったわけである。 私が例規審査をやっていたときも、このようになっている原案は…