改正理由が共通する条例の改正を一の条例で改正しないことについて

いつも勉強させていただいている「反則法制」の「複数の条例の改正」という記事に、次のような記載がある。

A法の一部を改正する法律の施行に伴い、複数の条例を改正する必要がある場合は、「○○条例等の一部を改正する条例」又は「A法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理(等)に関する条例」を制定し、複数の条例を一の条例で改正するのが原則です。
しかし、本市では、議会の委員会への付託先が問題になる場合や否決される可能性のある条例が含まれている場合には、原則どおりにいかないこともあります。そんなことがあるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、本市では、あるのです。そのような場合に、それを調整することも法規担当の仕事です。

確かに改正理由が共通する場合には、一の条例で改正するのが原則であるが、合理的な理由があれば、それほどこだわらなくてもいいのではないだろうか。
条例案について審議する議会の常任委員会の所管事項は、特定の執行機関の組織に関する事項としていることが通常だと思う。したがって、一の条例案で改正するそれぞれの条例を所管する執行機関の組織が複数あるため、その審議が複数の常任委員会に関係することとなるときは、私の自治体では、特定の常任委員会に付託した後、その常任委員会が関係する他の常任委員会に意見聴取をするという扱いをしている。
私は、議会事務には精通していないので、このような取扱いが一般的であるかどうかは承知していないが、上記の意見聴取といった事務を行わなくてもいいように、改正理由が共通であっても、常任委員会の所管事項ごとに束ねて提出すればよいのではないかと思っている。
法律においても、省庁ごとに束ねて提出することもあるのであるから*1、弾力的な扱いをしてもよいのではないだろうか。

*1:例えば、第156回国会において、公益法人改革関連の整備法として、「公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案」、「公益法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案」及び「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案」の3本の法律案が提出され、成立している。