審議会の委員の独立性

平成26年6月6日に成立した行政不服審査法に基づく行政不服審査会は、その委員の任命に当たり両議院の同意を得ることとされているが(同法第69条第1項)、その趣旨について、橋本博之ほか『新しい行政不服審査制度』(P204)には、次のように記載されている。

審議会等のうち、所掌事務を遂行する上で任命権者たる大臣等から高い独立性・中立性が求められるものについては、その人的構成の側面からも大臣等からの独立性・中立性を確保するとともに、国会による民主的コントロールを及ぼす趣旨で、委員の任命にあたって両議院の同意を得ることが必要とされている。

自治体の附属機関についても、その第三者性が語られることがあるが、その委員については、条例で議会の同意を得ることとすることができないと解されているため*1自治体の附属機関の独立性には、おのずと限界があることになろう。

*1:「法令に別段の定がないかぎり、その(附属機関の)委員の選任権は、当然市町村長に専属するものであって、条例で当該選任につき議会の同意を必要とする等、市町村長の選任権を制限するような定めをすることはできない」とする行政実例(昭和34年8月7日自丁行発第106号行政課長回答)がある。