例規の立案で間違いやすい例(29)

租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成25年財務省令第47号)
租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)の一部を次のように改正する。
  (略)
第23条の10第3項を同条第2項とし、同条第4項中……に改め、同項を同条第3項とし、同条第5項から第7項までを1項ずつ繰り上げ、同条第6項の次に次の1項を加える。
7 (略)

改正する条項を捉える場合には、原則としては改正前のそれを捉えることになる。そうすると、この改め文で追加する項は、改正前の第7項の次に加えるのであるから、適切ではないことになる。
改正前の条項を捉えるということであれば、この改め文の「同条第6項の次に次の1項を加える」の部分は、「同項の次に次の1項を加える」とすればよいことになる。実際、次のような用例がある。

地方税法の一部を改正する法律(昭和41年法律第40号)
第1条 地方税法(昭和25年法律第226号)の一部を次のように改正する。
第489条中第13項を第15項とし、第9項から第12項までを1項ずつ繰り下げ、同項の次に次の1項を加える。
14 (略)

しかし、現在では、法律ではこのようにはしないであろう。上記の省令の例は、「……同項を同条第3項とし、同条第5項を同条第4項とし、同条第6項を同条第5項とし、同条第7項を同条第6項とし、同項の次に次の1項を加える」*1というように1項ずつ繰り上げることになる。

*1:「……同項を同条中第3項とし、第5項を第4項とし、第6項を第5項とし、第7項を第6項とし、同項の次に次の1項を加える」とすることも可能である。