多選自粛条例破り

埼玉の上田知事、4選出馬へ 多選自粛条例破り
8月9日に投開票される埼玉県知事選で、上田清司知事(67)が4選をめざして立候補する意思を固めたことが3日、複数の関係者への取材でわかった。任期を連続3期までと自ら定めた「多選自粛条例」を破っての立候補になるが、県民にわびて説明することで理解を求める意向だ。来週にも記者会見して正式に表明する。
関係者によると、上田知事は知事選への立候補を表明した人がいない現状について、「このままだれも挙手する人がいなければ、県政運営に混乱が生じる」と話し、立候補の意向を伝えたという。多選自粛条例との整合性は「会見で県民におわびしなければならない」との趣旨の説明をしたという。
上田知事は元民主党衆院議員。「しがらみ一掃」をうたい、2003年に初当選した。公約にも掲げていた多選自粛条例の制定を翌年、都道府県で初めて果たした。だが、13年以降は「自粛条例なので(立候補)できないわけではない」「多選の弊害は防げる」などと述べていた。
2015年6月4日 朝日新聞デジタル

多選自粛条例廃止案、上田・埼玉知事「提出しない」
7月23日告示の知事選への4選出馬に意欲を示す上田清司知事は9日、定例会見で、自ら制定した知事任期を3期までとする多選自粛条例について「条例を廃止して出馬しても、知る限りでは批判が多い」などと述べ、6月定例議会で条例の改正・廃止案を提出しない考えを明らかにした。
会見で上田知事は「廃止などで正当性を得ようというのはいかがかという話になる。議会で認められることが全てではなく、政治姿勢の問題であり、選挙で判断してもらう」と話した。
上田知事はこれまでも「条例を守るに越したことはないが、それ以上に重要なことがあれば手を挙げてでもやる」として、条例が出馬の妨げにはならないとの認識を示していた。
2015年6月10日 産経新聞

多選自粛条例の意義がどの程度あるかはともかくとして、上記の記事を見る限りでは、何とも怖い発言である。知事にあるべき者が条例をどのように考えているのだろう。
いずれにしろ、必要がない条例であれば、当然廃止すべきである。それが提出した者の最低限の責任でもある。
(参考)過去の類似記事
2007年10月13日付け記事「長の多選禁止条例