組織の名称〜独立行政法人労働者健康安全機構

独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律」(平成27年法律第17号)により、独立行政法人労働安全衛生総合研究所(安衛研)と独立行政法人労働者健康福祉機構(労福機構)を統合し、新法人の名称を「独立行政法人労働者健康安全機構」としている。
この新法人の名称については、立法担当者は、統合前のそれぞれの法人の根拠法の小目的である「健康」と「安全」を用いることとし、その順番について次のとおり説明している。

(1)被災後に行われる治療やリハビリテーションは被災労働者の「健康」の確保に向けての取組であり、「健康」は災害の予防に加え、被災後においても重要であるといえること、(2)新たな法人の業務のうち「安全」については、職場における災害の予防についての研究及びその成果の普及という取組であるのに対し、「健康」については、職業疾病の病因等の研究から、予防、治療、リハビリテーション、職場復帰に至るまでの一貫した支援措置を講じており、統合後の法人にとっては「健康」に関する業務のほうが相対的に比重の高いものとなっていること、(3)業務の範囲を規定するに当たり、「健康」に関する部分が多くなり、実体的にも両法人を統合した中で「健康」に関する業務に関わる人員、予算が大きい割合となることから、「健康安全」という語順のほうが、より的確に統合後の法人の役割(目的)を表すと考えられること、(4)統合前の両法人の目的が、労福機構は「健康」と「福祉」、安衛研は「安全」と「健康」であり、共通の目的が「健康」であることなどを考慮し、「健康」を「安全」の前に位置付けた。(厚生労働省労働基準局労災管理課 有木悠一朗「厚生労働省所管の独立行政法人に係る改革を推進」『時の法令(NO.1986)』(P39〜))

組織の名称は結構感覚で付けてしまうことも多いように思うが、これは詳細に理由付けがされている事例である。