書き振りが気になる規定の例(7)

幹部職員の任用等に関する政令平成26年政令第191号)には、次の規定がある。

(管理職への任用の状況の報告)
第9条 法第61条の5第1項の規定による定期的な報告は、内閣総理大臣が定める事項について、毎年1回行うものとする。
2 任命権者は、内閣総理大臣から管理職への任用の状況に関し法第61条の5第1項の規定により報告の求めがあったときは、内閣総理大臣が定める事項を報告するものとする。

この規定の「法」とは国家公務員法であるが、同法第61条の5の規定は、次のとおりである。

(管理職への任用に関する運用の管理)
第61条の5 任命権者は、政令で定めるところにより、定期的に、及び内閣総理大臣の求めがある場合には随時、管理職への任用の状況を内閣総理大臣に報告するものとする。
2 (略)

政令第9条第2項の規定は、格別意味がある規定とは思われないが、法第61条の5第1項が政令委任しているため、やむを得ず書いている規定だろう。
そうすると、政令第9条第2項の規定は、とりあえず書く必要があるとして、手直しするのであれば、定期的な報告は含まないことを明記した方が適切であるし、法第61条の5第1項の規定を受けたものである以上、「管理職への任用の状況に関し」の部分は書く必要がないことになり、次のようにすることが考えられるだろう。

任命権者は、前項の報告のほか、内閣総理大臣から法第61条の5第1項の規定により求めがあったときは、内閣総理大臣が定める事項を報告するものとする。