手数料に関する規定

手数料に関する事項は、条例で定めることとされている(地方自治法第228条第1項)。
しかし、国の場合は、法律で具体的な額を定める例は少なく、政令等に委任するのが一般的である。
国における手数料の立法技術として、田島信威『立法技術入門講座2法令の仕組みと作り方』には、次のように記載されている。

手数料の額を定めた規定例では、……現在では経済情勢等の変化によってコストと手数料の額が乖離するのをできるだけ防ぐため、……「実費を勘案して政令(省令)で定める額」と規定するのが大多数となっている。 ただし、旅券発給手数料(旅券法第20条)のように、法律で確定額を定めている例もある。旅券法の場合は、この額が旅券等の交付に要する経費を勘案して定められておらず、旅券から受ける効用、諸外国における同種手数料を考慮して定められているからである。
また、特許法や意匠法などの特許料、登録料、民事訴訟費用等に関する法律や刑事訴訟法施行法に基づく手数料については、その額を行政コストにより算出することになじまないため、政令等への委任はされていない。

同様に考えれば、自治体の場合もほとんどの手数料は、具体的な額は規則に委任すればよいことになるが、上記の地方自治法の規定があるためか、一般的にはそのようにされていない。
法律では、条例を政令や省令と同レベルとして扱う傾向が強いが、これもその一例である。