号の細分を引用した後に、それを受けて書く場合の書き方

田島信威『最新法令用語の基礎知識(改定版)』(P140)には、各号列記の形で並記したものを柱書きの部分において「次の各号……」と引用する場合として、次のように記している。

「次の各号……」と書くのは、①「次の各号のいずれかに該当する……」と書く場合か、②「次の各号……」としたあとで、それらの各号を「当該各号に定める……」と受けて書く場合に分かれる。

今回は、上記②の場合で、号ではなく号の細分(イ、ロ、……)のときに、どのように書くのかということについて記してみたい。
法令における用例としては、次のようなものがある。

<例1>
次のイから二までに掲げる場合の区分に応じ、当該イから二までに定める……(雇用保険法第23条第1項第1号)
<例2>
次のイから二までに掲げる場合の区分に応じ、それぞれイから二までに定める……(児童手当法第6条第1項第1号)
<例3>
次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める……(地方税法第23条第1項第1号)

ちなみに、ここで使用されている「当該」の意味は、前掲書(P34)によると、

「当該」は、定義規定や施行期日などを各号列記の形で定める場合に、「当該各号に定めるところによる」、「当該各号に掲げる日から施行する」、「当該各号に定める年齢とする」といった形で、「それぞれ対応する」という意味に用いられる。

とされている。
そうすると、例1が忠実であると言えるが、実際には「それぞれ対応する」というニュアンスを出すために、単に「それぞれ」としている例があるので、例2でもいいのではないかという感じがしている。