表の一部分の特定の仕方(下)

別表の一部改正において改正部分を特定する場合、通常は、『別表中「……」』とするか、『別表○○の項中「……」』とすることになる。しかし、それ以外の方法で特定することもある。今回は、そのような例のうち珍しいものを幾つか取り上げる。
1 別表の備考以外の部分の特定
別表の備考以外の部分を特定する場合には、次のような例がある。

道路法施行令の一部を改正する政令(平成20年政令第5号)
別表中備考以外の部分を次のように改める。
別表(第19条関係)
 (略)

このような場合は、「別表の備考以外の部分」としてもよいだろう。
2 別表内の罫線で囲まれている部分の特定
別表は、その全体を表と呼んでいるわけだが、その中で罫線で囲まれている部分についても、表と呼んでいる。つまり、別表の中の表である。例えば、次のような例がある。

昭和42年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律(昭和50年法律第79号) 
(昭和42年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律の一部改正)
第1条 昭和42年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律(昭和42年法律第104号)の一部を次のように改正する。
   (略)
別表第1(表の部分を除く。)中「別表第1」を「別表第1(第1条、第2条、第3条、第4条、第5条関係)」に改める。

このような場合は、「別表第1の表以外の部分中……」としてもよいだろう。
さらに、別表を「一」「二」……と漢数字で区分し、それぞれに罫線の表を設けている場合のその罫線の表の特定の仕方としては、次のような例がある。

<例1>
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律(平成20年法律第34号)
   (略)
別表第1のうち二 総領事館の表アジアの項中……に改め、同表北米の項中……に改める。
<例2>
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律(平成2年法律第9号)
   (略) 
別表第1の一中表の部分を次のように改める。
  (略)
<例3>
所得税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23号)
 (所得税法の一部改正)
第1条 所得税法(昭和40年法律第33号)の一部を次のように改正する。
   (略) 
別表第1第2号を削り、同表第1号中「次の表に掲げる法人」を削り、同号の表沖縄振興開発金融公庫の項の前に次のように加える。
  (略)
別表第1第1号の表農業協同組合連合会(医療法(昭和23年法律第205号)第31条(公的医療機関の定義)に規定する公的医療機関に該当する病院又は診療所を設置するもので政令で定める要件を満たすものとして財務大臣が指定をしたものに限る。)の項中「(昭和23年法律第205号)」を削り、別表第1第1号の号名を削る。

ちなみに、例3は少し変わった改正があるので、やや長めに引用している。つまり、所得税法別表第1は「一」と「二」の区分が設けられていたのだが、「二」(第2号)はそっくり削っている。そして、同表第1号で「次の表に掲げる法人」を削っているが、これは「一」(第1号)の表の前に「一 次の表に掲げる法人」と記載されている部分の文言を削っているのである。