「第○条の規定による××」とするか「第○条に規定する××」とするか

ある規定中の文言を受けて書く場合、「第○条の規定による××」とするか、「第○条に規定する××」とするかは、結構悩むことがあった。
法律でも、例えば「〜届け出なければならない」という「届出」を受けて書く場合に、「第○条の規定による届出」と書いている場合(景観法16条2項etc.)と「第○条に規定する届出」と書いている場合(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律22条etc.)がある。
このことについては、「ワークブック法制執務(全訂」(P614〜)*1を参考にして、「第○条の規定を根拠とした(根拠として行う)××」とすべきであれば「第○条の規定による××」と、「第○条の規定に書かれている特定の意味を持った××」とすべきであれば「第○条に規定する××」とするというように、頭の中で言い換えながら審査をしていた。
上記の届出の例では、どちらかというと「届出」という言葉自体には特別の意味はなく、「第○条の規定を根拠として行う届出」というニュアンスで使った方がいいと思っていたので、もっぱら「第○条の規定による届出」としていた(実際、「第○条の規定による届出」という例の方が多いような気がする)。
なお、同様の例として、「〜旨を勧告する(〜旨の勧告をする)ことができる」という「勧告」を受けて書く場合に、「第○条の規定による勧告」と書いている場合と「第○条に規定する勧告」と書いている場合がある。
これもあえて統一するのであれば、「第○条の規定による勧告」の方がいいかなという感じはする。ただし、法律では、「〜旨を勧告する」という「勧告」を受けて書く場合には「第○条の規定による勧告」と、「〜旨の勧告をする」という「勧告」を受けて書く場合には「第○条に規定する勧告」とする例が多いような気がする。ごもっともといえばごもっともである。

*1:法制執務研究会『新訂ワークブック法制執務』(P704〜)も同様