例規の形式(14)(最終)〜その他(その3)

4 告示と公告
例規の形式(10)〜要綱(その3)」で、補助(給付)要綱は、告示するのではなく、規則にしないものは公告すればいいということを記載したが、ここで告示と公告について取り上げておきたい。
告示と公告の違いは案外不明確であると思う。これらについて、吉国一郎ほか『法令用語辞典(第八次改訂版)』では、次のように記載されている。

  • 「告示」
    1. 公の機関が、その決定した事項その他一定の事項を公式に広く知らせることをいう。
    2. 公の機関が、その決定した事項その他一定の事項を公式に広く知らせるための形式の1つ。
  • 「公告」
    • ある事項を広く一般の人に知らせることをいう。

このように、両者には実質的にはあまり違いがないのであるが、形式的には、告示は告示番号を付して一定の管理をするのに対し、公告はそのようなことをしないという違いがある。そうすると、一定の事務コストをかけて管理する告示は、公に広くしらせる必要がある事項のうち重要なものについて行うものであるということが言えそうである。
そして、その重要性の線引きについてはいろいろ考え方があると思うが、一つの考え方として、法令や条例等で公示することとする場合は、公示する事項が重要であるからそのようにしているのであろうから、告示は法令等に根拠がある場合に用いるのだとするのが簡単ではないかと思っている。なお、前掲書では「公の機関が法令に基づいてする指定、決定その他の処分で公示を要するものについて、別段の公示の形式が定められていない場合は、告示の形式によるのが通例である」としている。