2014-01-01から1年間の記事一覧

基本法の題名

前回、最近制定された法律の題名について感じるところがあったと記載したが、その法律は、平成25年12月に公布・施行された「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」である。 この法律は議員提出によるものであるが…

「○○に関する条例」とすべきか「○○条例」とすべきか

条例の題名を「○○に関する条例」とすべきか「○○条例」とすべきかについては、以前、kei-zuさんが取り上げられており(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100115、http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100906)、特別付け加えることもないのであるが、最近制定され…

過料と両罰規定

法律で過料に対し両罰規定を設けている例は、現在では見当たらない。長野秀幸「法制執務の基礎と常識28 罰則規定」『自治体法務研究(NO.28)』(P95)には、「過料は秩序罰なので、両罰規定を置かないこととされている」と記載されているが、これは、過料に当た…

「みだりに」

以前(2010年3月12日付け記事「検察協議」)、検察協議において「みだりに」という用語について適切でないとの指摘を受けたことがあると記載したことがある。 「みだりに」とは、社会通念上正当な理由があると認められない場合をいうものとされている(吉国…

「準用」する理由

平成25年法律第72号により「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が改正され、生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手(以下「生活の本拠を共にする交際相…

非嫡出子の相続分に関する民法の改正における遡及適用の考え方に関するメモ

最高裁平成25年9月4日大法廷決定は、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分が遅くとも平成13年7月当時には憲法第14条第1項に違反していた旨の判断を行った。ただし、本決定は、同月から本決定までの間に開始された他の相続について…

情報公開制度における理由付記に関する雑感

行政機関の情報公開を取り上げた最近の書籍等を見ると、民主党政権化において第177回国会に提出されたものの、2012年11月の衆議院解散により廃案となった「行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案」について取り上げるものをよく…

一括法で委任された事項に関する雑感(7)〜指定障害者福祉サービスの基準の改正に伴う経過措置

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「法」という。)に基づく指定障害福祉サービスの基準は、いわゆる第2次一括法により条例で定めることが委任された事項である(法第43条第1項及び第2項)。 その障害福祉サービスにつ…

「自治体の法規担当になったら読む本」

kei-zuさんが出版された書籍を拝見して感じたことを若干記してみたいと思います。 この書籍は、法規担当として行う仕事全般を扱っているのですが、ページ数は例規審査に多くを割いています。法規担当の仕事の中心は、やはり例規審査であり、そのやり方を習得…

自治体組織の多様化の可能性

自治体の組織については、憲法第93条第1項が「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」と規定し、同条第2項が「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、…

手数料に関する規定

手数料に関する事項は、条例で定めることとされている(地方自治法第228条第1項)。 しかし、国の場合は、法律で具体的な額を定める例は少なく、政令等に委任するのが一般的である。 国における手数料の立法技術として、田島信威『立法技術入門講座2法令の…

特定秘密保護法に関する報道から

次の記述は、特定秘密の保護に関する法律(以下「法」という。)に関し、ある地方紙に記載されたものである。 1985年に自民党から議員提出され、廃案になった国家秘密法(スパイ防止法)の対象は「防衛」と「外交」。秘密保護法では、これに「特定有害活動の…

一括法で委任された事項に関する雑感(6)〜地方独立行政法人が返還すべき重要な財産(下)

法第6条第4項・第42条の2と同様の独立行政法人通則法における規定は、次のとおりである。 (財産的基礎等)第8条 (略)2 (略)3 独立行政法人は、業務の見直し、社会経済情勢の変化その他の事由により、その保有する重要な財産であって主務省令(当…

一括法で委任された事項に関する雑感(6)〜地方独立行政法人が返還すべき重要な財産(上)

いわゆる第3次一括法により、地方独立行政法人法(以下このシリーズでは「法」という。)に次の規定が追加され、地方独立行政法人は、設立団体等から出資等を受けた財産が不要となった場合に、設立団体等に返還しなければならないこととされた。 (財産的基…

新旧対照表方式における改め文

以前(2008年3月7日付け記事「続・新旧対照表方式(4)〜改め文」)、例規の改正方法における新旧対照表方式において、どのような改め文を置いているか記載したことがある。 当時、都道府県レベルで新旧対照表方式を用いているのは5県であり、その状況は…

例規の立案で間違いやすい例(24)

石油の備蓄の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成24年経済産業省令第81号)石油の備蓄の確保等に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第26号)の一部を次のように改正する。 (略)第9条の前の見出し及び同条第1項柱書き中「基準備…

続・外来語の使用

以前(2007年9月22日付け記事「外来語の使用」)、例規文における外来語の使用について取り上げたことがあったが、前回取り上げた、井上ひさし『日本語教室』に外来語の使用について考える上で参考となる記載があったので、それを取り上げることにする。 上…

「権利」

以前(2013年10月5日付け記事「子どもの権利擁護のための条例」)、「Rights」の訳語を「権利」とするのは正しくないといった趣旨のことを記載したことがある。 この「権利」という言葉について、井上ひさし『日本語教室』*1(P100〜)に次のように記載されて…

雑記

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 本年は、いろいろな意味で変化がある年にしたいと思っています。 しばらくは、不定期(もともと不定期といえば不定期なのですが)な更新になるかと思います。