2015-01-01から1年間の記事一覧

書き振りが気になる規定の例(2)

古い法律であるためか、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」は、読みにくく、適切とは思えない規定が幾つかある。例えば、次の規定である。気になるのは、太字の部分である。 (県費負担教職員の任用等)第40条 第37条の場合において、都道府県委員…

例規の立案で間違いやすい例(35)

道路交通法施行令及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第310号)(道路交通法施行令の一部改正)第1条 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)の一部を次のように改正する。 (略)別表第2の備考の…

末号における「その他」

以前(2013年3月16日付け記事「包括条項の表現」)、包括条項の表現として、「その他……」と規定することを取り上げたが、その例として、次の社会福祉施設職員等退職手当共済法の規定がある。 社会福祉施設職員等退職手当共済法(昭和36年法律第155号)(定…

書き振りが気になる規定の例(1)

今まで「例規の立案で間違いやすい例」で取り上げてきた法律・政令で書き振りが気になる規定について、今回から「書き振りが気になる規定の例」として取り上げることにします。 次の規定は、建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令第4条の規定である。 …

防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否(その4)

前回取り上げたサイトで取り上げられている全国山岳遭難対策協議会における消防庁防災情報室課長補佐の発言の中で、次の事項も防災ヘリコプターにおける有料化の問題として挙げられている。 ○ 消防組織法上の問題8条で消防の費用は市町村が負担、つまり無料…

防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否(その3)

以前取り上げたテーマ(2010年10月15日付け記事「防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否」、2010年12月24日付け記事「防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否(その2)」)に関し、washitaさん経由で、岐阜県山岳連盟会長の…

例規の立案で間違いやすい例(34)

災害対策基本法施行規則の一部を改正する内閣府令(平成25年内閣府令第66号)(災害対策基本法施行規則の一部改正)第1条 災害対策基本法施行規則(昭和37年総理府令第52号)の一部を次のように改正する。第1条を第1条の2とし、同条の前に次の1条を加え…

例規の立案で間違いやすい例(33)

間違いやすい例とは少し違うが、面白い省令の事例を取り上げる。 エネルギーの使用の合理化に関する法律の規定に基づく建築物に係る届出等に関する省令の一部を改正する省令(平成25年国土交通省令第84号)附 則(経過措置)第2条 住宅の用途に供する建築物…

手間がかかる法案審査

washitaさん経由 法案づくり省力化、政府が電子データ活用 職員の残業抑制政府は国家公務員の残業を減らすため、法案づくりの新システムを導入する。国のすべての法令をまとめたデータベースを作成し、現行法と改正案の新旧対照表などの文書をパソコン上で自…

例規の立案で間違いやすい例(32)

輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令等の一部を改正する省令(平成25年経済産業省令第51号)(輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令の一部改正)第3条 輸出貨物が核兵器…

例規の立案で間違いやすい例(31)

競馬法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整理等及び経過措置に関する政令(平成25年政令第222号)第1条〜第3条 (略)*1(経過措置)第4条 競馬法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)による改正後の競馬法(以下「新法」という。)…

例規の立案で間違いやすい例(30)

中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(平成25年厚生労働省令第91号)(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律施行規則の一部改正)第1条 中国残留邦…

間違いではないけれど

食品表示法(指示等)第6条 食品表示基準に定められた第4条第1項第1号に掲げる事項(以下「表示事項」という。)が表示されていない食品(酒類を除く。以下この項において同じ。)の販売をし、又は販売の用に供する食品に関して表示事項を表示する際に食…

例規の立案で間違いやすい例(29)

租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成25年財務省令第47号)租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)の一部を次のように改正する。 (略)第23条の10第3項を同条第2項とし、同条第4項中……に改め、同項を同条第3項とし、同条第5項…

マイナンバー法に基づく条例の立案の考え方

今回は、前回取り上げた水町弁護士のブログに記載されている次の問題そのものについて、少し触れてみることにします。 番号制度対応のために、地方公共団体では番号法第31条に基づき条例改正が必要となりますが、個人情報保護条例を改正する形にすべきでしょ…

読替え規定の立案

kei-zuさん経由で、水町雅子弁護士のブログにおいて、マイナンバー法に基づく条例を整備するに当たり、個人情報保護条例の改正によるべきか、新条例の制定によるべきか取り上げられているのを拝見した。 そのこと自体に触れる用意はないのだが、目がとまった…

例規の立案で間違いやすい例(28)

経済産業省組織規則の一部を改正する省令(平成25年経済産業省令第31号)経済産業省組織規則(平成13年経済産業省令第1号)の一部を次のように改正する。 (略)第307条第7号中「国際課」を「国際協力課」に改め、第13号を第15号とし、第8号から第12号ま…

審議会の委員の独立性

平成26年6月6日に成立した行政不服審査法に基づく行政不服審査会は、その委員の任命に当たり両議院の同意を得ることとされているが(同法第69条第1項)、その趣旨について、橋本博之ほか『新しい行政不服審査制度』(P204)には、次のように記載されている…

委任条例の規定の書き方

半鐘さん経由で知ったのですが、早速委任を受けて書く条例のことを考えて欲しい事例がありましたので、それを取り上げます。 「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号。以下厚生労働省の…

時事ネタ

tihoujitiさん掲載の記事から 次は、【自治体法制執務雑感】ね。こちらは時事ネタはあまり扱わないけれど、法制執務ネタは極めて豊富であり、検討も深い。 ほんと、時事ネタはダメですね(笑)。

法制執務のマニアック度

kei-zuさん掲載の記事から 先日参加させていただいた「かながわ政策法務研究会」での宴席で、衆院法制局元参事の吉田利宏さんから「kei-zuさんの法制執務はテクニカルだからなぁ」と言われて目を白黒させました。 自治体における条例は、やはり法の下請け的…

行政行為の取消し・撤回の事由に関する法律の規定に関するメモ

行政行為の取消し及び撤回は、解釈上制限される場合があるとしても、これを認める明示の法律の規定を必要としないとするのが通説的見解である。 しかし、実際上、法律においてその事由を定めるものが多く、乙部哲郎『行政行為の取消と撤回』(P390〜)にその例…

登録試験機関

平成26年6月13日に公布された「不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)」により消費者安全法が改正され、消費生活相談員資格試験制度が法定化されたが、この試験については、一定の要件を満たす機関であれば試験を…

読みにくい条文の例

次の規定は、平成25年法律第53号により追加された総合特別区域法第22条の2の規定である。 (道路運送車両法の特例)第22条の2 指定地方公共団体が、第12条第2項第1号に規定する特定国際戦略事業として、農業経営改善自家用貨物自動車活用事業(国際戦略…

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。