附則

施行期日を定めない省令

学校教育法施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令(平成29年文部科学省令第42号)学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成29年文部科学省令第27号)の一部を次のように改める。附則に次のただし書を加える。ただし、第126条第2項の改正規…

複数の附則の規定の引用

附則の規定を複数引用する場合には、最初の規定にのみ「附則」と明記し、以降の規定は明記しないのが通常である。 ところで、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)」の附則第1条の規定は、次のとおりである。 (施行期日)第1条 こ…

地方特別法の附則に設けられた規定

いわゆる地方特別法である「熱海国際観光温泉文化都市建設法」の附則には、次の規定が設けられた。 2 この法律は、日本国憲法第95条の規定により、熱海市の住民の投票に付するものとする。 この規定は、地方特別法が効力を生ずるのは住民投票を行った後であ…

改正議員定数・選挙区条例の施行日等

例規の施行日について、特定の事実の発生にかからせる場合がある。そして、その例として「次の総選挙から施行する」という例が挙げられることがあり(田島信威「最新法令の読解法(4訂版)」(P303)参照)、自治体の条例では、まだそうした事例が散見される…

天皇陛下の生前退位(その4)

天皇退位へ「お気持ち」共感=特例法案を閣議決定−付帯決議「女性宮家」が焦点政府は19日午前の閣議で、天皇陛下の退位を実現する特例法案を決定した。公務継続が困難になるとの陛下のお気持ちを国民が理解し、共感している事情を第1条に明記。退位後の陛下…

天皇陛下の生前退位(その2)

典範付則に特別法根拠 論点整理に併記安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は23日に公表する論点整理で、天皇陛下に限り退位を認める特別立法と並び、特別立法での例外的な退位を認める根拠規定を皇室典範の付則に書き込…

施行期日の起算点を法律の成立の日とした例

第2回国会に提出された「郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出)(第39号)」の施行期日は、「この法律は、その成立の日から起算し、10日を経過した日から、これを施行する。」とされており、これについて次のような議論がされている。 <第2回国会衆議…

検討規定

法律の附則には、一定の時期に法律の見直しを行うことを検討することとする規定を置くことがあるが、その規定は、次のように政府に義務付けることとする例が多い。 公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)附 則(検討)第13条 政府は、この法律の…

検討条項(下)

法律における検討条項は、次のように期限を明示して検討を義務付ける例が多い。 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号) 附 則(検討)第2条 政府は、この法律の施行の日から5年以内に、この法律に基づく特定…

検討条項(上)

法律の附則に、検討条項と呼ばれる規定が置かれることがある。この検討条項について、山本庸幸『実務立法技術』(P177)には、次のように記載されている。 特に最近の法律の附則中によく見受けられるようになった規定として、いわゆる検討条項がある。これは、…

第2期地方分権改革に係る一括法における経過規定

平成23年5月と8月に制定された「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」は、第1次一括法、第2次一括法などと称され、現在、第3次一括法案が国会に提出されている。 これらの一括法に対する評価は、今…

適用日を未来日にすること

洋々亭さんのサイトから*1 改正内容は、25条立ての附則の(1)22条から24条を全部改正する、(2)25条を削る、という内容です。そして、(1)で全部改正した22条及び24条の規定は、平成23年4月1日から遡及適用します。また、23条 の規定は、平成24年1月1日から…

試験の名称を変更した場合の経過規定

平成21年4月22日に公布された「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部を改正する法律(平成21年法律第20号)」(衆法)は、あん摩マッサージ指圧師試験等の名称を、国家試験であることを明確にするため、あん摩マッサージ指圧師…

準備行為

2009年7月31日付け記事「改正土壌汚染対策法に基づく事務の手数料」で取り上げた土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第53号)附則第2条の準備行為の規定について、気になることがありますので、それを取り上げてみます。 まず、同法の準備行…

6月の期末・勤勉手当に係る改正条例の規定・追記

もはや今更という感じなのですが、以前取り上げた(2009年5月22日付け記事「6月の期末・勤勉手当に係る改正条例の規定」)、6月の期末・勤勉手当に係る条例に、改正給与法の附則第2条の規定に相当する規定を設けるべきかについて、人事委員会を置く自治…

6月の期末・勤勉手当に係る改正条例の規定

6月の期末・勤勉手当について、改正給与法の附則第2条の規定に相当する規定を設けるべきかどうか議論されているようです。大勢としては不要だとする意見が多いようですが、少し異を唱えてみます。 まず、その改正法における規定を次に掲げます。 (期末手…

遡及適用(下)

遡及適用の代表例として、給与改定を遡って行う場合が挙げられるが、このように一般的に遡及適用は、過去に生じた権利義務関係を変更するものであるといえる。そして、前回(「遡及適用(上)」)取り上げた駐留軍用地特措法の一部改正における遡及適用も権…

遡及適用(上)

少し前に、kei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20081019)が遡及適用について触れられており、その考え方は、遡及適用を行うべきでないのはどのような場合なのかという、言わば政策的な判断を行うときに非常に参考になると思います。ただし、どのよう…

施行期日の書き分け(4)(最終)

施行期日を書き分けたときに、「○○に係る部分」という特定をしている例をさらに取り上げてみる。 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成7年法律第65号)第45条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。(1) 第7条第2項、…

施行期日の書き分け(3)

「施行期日の書き分け(1)」及び「施行期日の書き分け(2)」で取り上げた平成17年法律第81号は、改正規定の一部を特定するのに「○○に係る部分」というやり方をしているが、同様な例として、次の例がある。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正…

施行期日の書き分け(2)

「施行期日の書き分け(1)」で記載した、平成17年法律第81号の第49条第1項の改正規定で追加する号を枝番号にしない例を再度取り上げる。 この法律の第49条第1項の改正規定のうち、平成17年10月1日施行の部分と平成18年4月1日施行の部分を逆にした場合…

施行期日の書き分け(1)

前回(2008年8月22日付け記事「施行期日を書き分けた場合における不都合なこと」)、施行期日を書き分けたときのことを取り上げたので、数回にわたってこのことを取り上げてみたい。 施行期日を書き分けている法律の例を次に掲げる。 障害者の雇用の促進等…

条例の施行期日を長以外の執行機関に委任することに関するメモ

条例の施行期日を長以外の執行機関に委任することの可否については、以前考えさせられることがあったのですが、最近、洋々亭さんのサイト(http://www.hi-ho.ne.jp/tomita/yybbs/)で関連した事項が取り上げられていたのを拝見したので、今考えていることを…

指定区域に関する経過規定

区域指定を行い、その区域内で一定の規制を行うこととする条例を制定していたが、その条例を全面的に改めた際に、旧条例に基づく指定等については、新条例に基づいて当該区域を指定するまでは旧条例はなお効力を有することとしたのだが、その指定がなされる…

特別会計の廃止に伴う経過規定

特別会計を、例えば平成18年度限りで廃止する場合には、廃止条例の施行日は平成19年4月1日とするが、出納整理期間があること等により、所要の経過規定を置く必要がある。 法律の例として、国立学校特別会計法が国立学校法人法等の施行に伴う関係法律の整備…

附属機関の設置の場合における経過規定

行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の制定に併せて、私の自治体でも個人情報保護条例の改正を行ったが、改正前の条例では、附属機関としてA審議会を置き、次の職務を行わせることとしていた。 ① 個人情報の開示決定に対する不服申立てに関して諮…

施行日前に一定の行為をすることができる旨の経過規定

ある行為等について許可制を採ることとした場合、当該行為等を施行日にしたい者もいるであろう。そのため、法律では次のような経過規定を置くことがある。 第○条の許可の手続は、この法律の施行前においても行うことができる。 しかし、届出制の場合には、当…

経過規定の書き方(その2)

経過規定がうまく書けない最大の理由は、経過措置が必要なケースを具体的に拾い上げることをせずに、何となく書こうとするからではないかと思う。そのケースを具体的に拾い上げ、かっこよく書こうとせずに、それを項で並べて書いておくだけでもとりあえず十…

経過規定の書き方(その1)

経過規定をどのように書くかについては、私は、最初は類似した案件で置かれている経過規定を調べ、それを参考に書いていたのだが、次第に法令等の手本がなくても書いていけるようになった*1。その際に、気を付けていたことを記載したい。 経過規定は、新規制…

経過規定について

経過規定については、前田正道『ワークブック法制執務(全訂)』(P259)*1には次のように記載されている。 法令の制定・改廃により、一挙に今までの法秩序が破壊され、新しい法秩序に移行することには困難を伴うことが多いし、社会生活に混乱を生ずることにも…