解釈

「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」と地方公務員の給与(中)

今回は、法に対する政府(総務大臣)の見解を取り上げる。 国会において、次のような議論がなされている。

「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」と地方公務員の給与(上)

既に幾人かの方が取り上げておられるが、厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性から、国家公務員に対する給与を平成26年3月31日までの間減額して支給する措置を講ずることなどを内容とする「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平…

出先機関の事務の一部の管轄区域を異なったものとすること

元地方分権推進委員会事務局員である小泉祐一郎氏の『地域主権改革一括法の解説』は、今回の地方分権改革に伴う例規の整備に限らず、例規の立案一般にも参考になる記載がある。 ただ、少し気になる記載も幾つか見られる。例えば、前掲書P51には、都道府県か…

議会に附属機関を置くことについて

『法学セミナー』で連載されている「法令エッセイ クロスセッション 国法・自治体法の現場から」は毎月楽しみに拝見しているが、今回(2012/01/No.684)は、元衆議院法制局参事の吉田利宏氏が、国会に置かれた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(以下…

非常勤の行政委員の報酬が月額制であることについて〜最高裁判決から

行政委員の月額報酬「適法」 最高裁が初判断、住民逆転敗訴選挙管理委員会などの非常勤の行政委員に、勤務日数に関わらず定額の月給を支払うことの是非が争われた訴訟の上告審判決が15日、最高裁であった。第一小法廷(横田尤孝裁判長)は月額制は適法として…

本年度の人事院勧告の実施を見送ることに関するメモ

今更の感があるが、本年度の人事院勧告については、10月28日の閣議決定で、政府が既に提出している給与臨時特例法案が人事院勧告による給与水準の引下げ幅と比べ、厳しい給与減額支給措置を講じようとするものであり、また総体的に言えばその他の人事院勧告…

大阪府教育基本条例案(下)

条例案は、懲戒処分の基準、懲戒処分等を行うに当たって人事監察委員会が審査することとしていることなど、職員基本条例案と同様な問題があるが、それは改めて触れることはしない。 条例案には、教育委員会に対する政治の関与として、議会が関与する仕組みが…

大阪府教育基本条例案(上)

今回から2回にわたって、大阪府教育基本条例案(以下このシリーズで「条例案」という。)について取り上げる。 なお、大阪維新の会は条例案について、9月16日に府教育委員会と意見交換を、10月3日に府立学校長と意見交換を行っている。 条例案の考え方は…

職員基本条例案(下)

このシリーズの最後である今回は、これまで取り上げた事項以外の事項について、法制執務的見地から気になることを中心に取り上げた後、府の執行部の意見のうち同調できない点について触れておくことにする。 まず、条例案について気になる点から取り上げる。…

職員基本条例案(中)

今回は、条例案に規定されている人事監察委員会について取り上げる。 条例案の人事監察委員会に関する規定は、次のとおりである。 (人事監察委員会)第46条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第158条第1項の規定に基づき、知事の権限に属する事務を分掌さ…

職員基本条例案(上)

10月5日、大阪府議会に議員提出された条例案のうち、職員基本条例案(以下このシリーズで「条例案」という。)について、3回にわたって取り上げる。 なお、tihoujitiさん経由で、9月16日に行われた大阪維新の会と府執行部との意見交換に関する資料を目に…

専門委員の共同設置

前回まで2回にわたり、平成23年法律第35号による地方自治法の改正により行うことができるようになった行政機関等の共同設置について取り上げたが、この改正により、議会にも地方自治法第174条第1項に規定する専門委員を共同設置することができるか議論され…

リストラ条例

2011年5月27日付け記事「条例で懲戒処分の基準を定めることの可否」で関連する事項を取り上げたので、一応フォローしておきます。 MSN産経ニュース2011年8月9日付け配信記事違反3回で懲戒…橋下維新、リストラ条例提案へ 府・市・堺市の職員 大阪府の…

裁量事項の条例化

2011年5月27日付け記事「条例で懲戒処分の基準を定めることの可否」に対して、裁量基準を条例で定めることについて、いわゆる具体化条例をめぐる議論があるとのコメントをいただきました。 その返信にも書いたのですが、私は、その記事を記載したときは、そ…

統一地方選挙の期日の延期と憲法第95条

3か月程前になるが、東日本大震災の影響により、統一地方選挙の期日においては選挙を適正に行うことが困難な地域において、その期日の延期等を行うため、「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関す…

条例で懲戒処分の基準を定めることの可否

MSN産経ニュース2011年5月17日付け配信記事 橋下知事、国歌不起立の処分基準も条例化 ルール守らぬ教職員「府にいらぬ」大阪府の橋下徹知事は17日、5月府議会で提出される入学式や卒業式での国歌斉唱時に起立することを府内の公立学校の教職員に義務付…

防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否(その2)

2010年10月15日付け記事「防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否」で取り上げた、山岳救助で防災ヘリコプターが出動した場合に遭難者に費用を請求できるようにする条例を、埼玉県が議員提出で成立させようとしていたことについては、結局、…

飲酒運転に係る懲戒免職処分を取り消す判例について〜読売新聞の記事から

kei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20101214)経由で、読売新聞2010年12月12日配信の記事から 飲酒運転処分 悩む自治体免職で敗訴 全国で相次ぐ 酒気帯び運転を理由とする懲戒免職は重すぎるとして、新潟市職員が処分取り消しを求めた訴訟は、市が敗…

泥棒に作らせた法律〜政治資金規正法の規定の例

公職選挙法や政治資金規正法を政治家に作らせることは、泥棒に鍵を作らせるのと同じようなものだと言われることがある。その一例といえる政治資金規正法の規定について触れることにする。 政治資金規正法(以下「法」という。)による政治団体は、毎年、収支…

職員の任命に関する一考〜発令の一部を委任することに関する議論から

以前、洋々亭さんのサイト(http://www.hi-ho.ne.jp/tomita/yybbs/)で、次の疑問に対して議論がなされていました。 通常、人事異動の際、任命権者から「○○課△△係長を命ずる。」との発令がなされると思いますが、任命権者は「○○課係長を命ずる。」との発令を…

防災ヘリコプターの運行費用を利用者に求めることの可否

山岳遭難者にヘリ費用請求…埼玉県、条例成立へ山岳救助で防災ヘリコプターが出動した場合、遭難者に費用を請求できるようにする条例が、埼玉県議会で成立する見通しとなった。登山ブームで山岳救助件数は増加傾向にあり、費用請求を可能とすることで安易な入…

非常勤の行政委員の報酬が月額制であることについて〜大阪高裁判決から(下)

私は、大阪高裁判決の原判決である大津地裁判決について、2009年5月29日付け記事で、次の3点について疑問があると記載した。 1 立法趣旨を強調し過ぎている点 2 常勤・非常勤の区別が曖昧であること 3 自治体の行政委員の報酬は、それ程高額ではないこ…

非常勤の行政委員の報酬が月額制であることについて〜大阪高裁判決から(中)

今回は大阪高裁判決が、どのような判断基準で、どのような結論を出したのか触れることにする。 1 本件条例中の月額報酬制に関する規定の適法違法の判断基準 大阪高裁判決は、以上のような考え方に基づき、本件条例中の月額報酬制に関する規定の適法違法の判…

非常勤の行政委員の報酬が月額制であることについて〜大阪高裁判決から(上)

以前取り上げた、非常勤の行政委員の報酬を月額制とすることを違法とする大津地裁平成21年1月22日判決に対する控訴審判決である大阪高裁平成22年4月27日判決(以下「大阪高裁判決」という。)は、地方自治法第203条の2第2項の解釈について、その制定経緯…

非常勤の行政委員の報酬が月額制であることについて〜全国知事会行政改革PT中間報告

都道府県の天下り見直しへ 知事会PTが中間報告全国知事会の行政改革プロジェクトチーム(PT)は5日、中間報告をまとめた。天下りについて「ほとんどの都道府県で職員が外郭団体に再就職したケースがある」と実態を認めた上で、早期勧奨退職の段階的解消…

飲酒運転に係る懲戒免職処分を取り消す判例について〜毎日新聞の記事から

既にkei-zuさん(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100628)やkinkinさん(http://kinkin2.blog42.fc2.com/blog-entry-454.html)が取り上げていますが、私も触れておくことにします。 公務員の飲酒運転:「原則懲戒免職」緩和の動き飲酒運転した公務員を事故…

公文書館の設置等の権限

今回は、宇賀克也教授が、『ジュリスト(No.1393)』に掲載した「公文書管理法の制定を受けた地方公共団体の対応」という論文に関連して、公文書館の設置・管理の権限と公文書の管理の権限が、どの執行機関に属するかということを取り上げる。 1 公文書館の設…

いわゆる「渡り政令」について〜その後(下)

「渡り」については、世論の批判等もあってか、自民党政権下においても、その取扱いが変化することになる。そこで、今回は、その変化と「渡り政令」の現状について触れて、まとめとする。

いわゆる「渡り政令」について〜その後(中)

今回は、平成21年1月13日の衆議院予算委員会における馬淵議員の質疑等について取り上げる。 ここで触れられている国会同意人事に関する歴史的経緯については興味深いので、長めに引用することにする。

いわゆる「渡り政令」について〜その後(上)

いわゆる「渡り」については、以前、2009年1月23日付け記事「いわゆる『渡り政令』について」で取り上げたことがあるのだが、政権交代後も日本郵政の人事などを巡り、たびたびマスコミをにぎわしているところである。 そこで、今更の感があるが、いわゆる「…