雑感

例規の立案で間違いやすい例(19)

外国為替に関する省令の一部を改正する省令(平成24年財務省令第20号) (略)第12条の2中……に改め、第6号を第8号とし、第5号を第7号とし、同条に第5号及び第6号として、次の2号を加える。(5) (略)(6) (略) 「同条に第○号として次の○号を加える…

例規の立案で間違いやすい例(18)

住居手当の支給に関する規則の一部を改正する省令(平成24年外務省令第4号) (略)第5条第1項を次のように改め、同条第2項及び同条第3項を削る。第5条 在外職員が居住する住宅が家具付きである場合には、その家賃から家具相当額として、その家賃の百…

例規の立案で間違いやすい例(17)

国民健康保険の事務費負担金等の交付額等の算定に関する省令の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第46号) (略)附則第2条の2(見出しを含む。)及び附則第2条の3(見出しを含む。)中「平成20年度及び平成21年度」とあるのは「平成23年度及び平…

例規の立案で間違いやすい例(16)

障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係省令の整備等及び経過措置に関する省令(平成24年厚生労働省令第40号) (略)(…

条例立案の難しさ

『法学セミナー』に連載されていた「法令エッセイ クロスセッション 国法・自治体法の現場から」の最終回で、吉田利宏氏は、国法と条例の違いを次のように述べている。 実行性確保の問題は、もちろん国法にもありますし、国でも問題事例を集めます。ただ、国…

例規の立案で間違いやすい例(15)

条項の指定を「第○条中第×項……」とした場合に間違いやすいことは、既に何回か取り上げているが(2010年2月26日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(8)」、2011年4月9日付け記事「例規の立案で間違いやすい例(11)」及び2012年4月28日付け記事「例…

一括法で委任された事項に関する雑感(3)〜基準該当通所支援

社会福祉制度において契約的な考え方を取り入れているもののサービスに、基準該当サービスというものがある。例えば介護保険法においては、保険給付の対象となる指定事業者としてのサービスの本来の要件の一部は満たしていないが、一定の水準を満たすサービ…

一括法で委任された事項に関する雑感(2)〜指定介護療養型医療施設

旧介護保険法に基づく施設として指定介護療養型医療施設がある。これは、都道府県知事が指定する介護療養型医療施設である。介護療養型医療施設とは、療養型病床群等を有する病院であって、当該療養型病床群等に入院する要介護者に対し、施設サービス計画に…

一括法で委任された事項に関する雑感(1)〜指定猟法区域等の標識の寸法

以前kei-zuさんも取り上げていたが、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律で、都道府県知事が設置する指定猟法区域等を表示する標識の寸法を定めることが条例に委任された。法律の規定は、次のような規定になっている。 ……標識に関し必要な事項は、環境省…

「法制執務詳解(新版?)」

「法制執務詳解」は、自治体職員にとっては法制執務のバイブルとも言える書籍ですが、当初、私はこの改訂版を購入するつもりはありませんでした。しかし、100頁程増えたということで、内容的にどの程度変わっているのか興味があったので、結局購入してみるこ…

例規の立案で間違いやすい例(14)

社会生活基本調査規則の一部を改正する省令(平成23年総務省令第36号)社会生活基本調査規則(昭和56年総理府令第38号)の一部を次のように改正する。 (略)第6条第1項第3号中チ及びリを削り、トをルとし、ヘをリとし、リの次に次のように加える。ヌ 希…

例規の立案で間違いやすい例(13)

今回取り上げる事例は、間違いやすいというレベルを超越している例である。 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第48号)(雇用保険法施行規則の一部改正)第1条 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)の一部を次のよ…

例規の立案で間違いやすい例(12)

今回取り上げる事例は、間違いというわけではないが、関連する事例をこのシリーズで取り上げたので、このシリーズで取り上げる。 地方税法施行規則の一部を改正する省令(平成23年総務省令第96号) (略)附則第6条中第9項から第11項までを削り、同条第12…

道路交通安全行政の在り方

最近改めて、道路交通安全行政に関して考える機会があった。行政は、道路交通安全の分野に関し事故防止の啓発活動をしているが、私は、かねてから行政の関与は過剰であるように感じていた。 もし、自動車事故を無くそうとするのであれば、例えば自動車の機能…

行政機関等の共同設置(下)

行政機関等の共同設置について、田口一博「地方自治法2010年改正案について」(自治総研通巻379号2010年5月号)*1には、監査委員事務局と議会事務局の共同設置に関し次のように記載されている。 監査機能の充実強化を図るため、監査委員事務局の共同設置を…

行政機関等の共同設置(上)

平成23年法律第35号による地方自治法第252条の7の改正により、行政機関等について共同設置をすることができるようになった。同条の改正に係る新旧対照表は、次のとおりである。 改正前改正後 (機関等の共同設置) 第252条の7 普通地方公共団体は、協議に…

余計なお世話〜情報公開法と情報公開条例の関係

『法学セミナー』で連載されている「法令エッセイクロスセッション 国法・自治体法の現場から」は毎回楽しみに拝見していますが、2011年10月号でid:kei-zuさんは、情報公開法と情報公開条例の関係について記載されておられます。 情報公開については、kei-zu…

「つくろう議員提案の政策条例」

松下啓一先生から、御著書『政策条例のつくりかた』を送っていただきました。ありがとうございました。 この御著書には、議員提案による政策条例のつくり方について、その現状も含めて具体的に記載されています。 私は、議員提案の条例というものをあまり評…

例規の過誤(その2)

kei-zuさん経由(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20110508)で知ったのですが、木佐茂男教授が、地方自治法において引用条文の改正漏れがあったことを指摘されています(http://tabushi.cocolog-nifty.com/platz/2011/05/no139-4601.html)。*1 私が例規審査…

定住自立圏構想(下)

定住自立圏の数が49圏域であることが多いのか少ないのかはよく分からないが、定住自立圏構想に対する理解は、まだ十分なものとはいえないだろう。例えば、以前、ある地方紙の社説で、定住自立圏構想について、次のような記載があった。 少しずつでも自立圏の…

定住自立圏構想(中)

定住自立圏構想のスキームに関して気になる点について、2点触れることにする。 1 定住自立圏の圏域について 定住自立圏構想推進要綱(以下「要綱」という。)によると、定住自立圏は、中心市と周辺市町村が、1対1の協定を締結することを積み重ねる結果と…

定住自立圏構想(上)

新しい広域行政のためのスキームとして、定住自立圏構想が推進されている。3月14日現在、49圏域で定住自立圏の取組が行われている。 定住自立圏構想とは、総務省のホームページによると、次のとおりである。 定住自立圏は、地方圏において、三大都市圏と並…

例規の立案で間違いやすい例(11)

沖縄総合事務局組織規則の一部を改正する内閣府令(平成22年内閣府令第44号) (略)第46条の見出しを「(畜産振興室、企画指導官及び環境保全型農業振興専門官)」に改め、同条第1項中「農畜産振興課に」を「生産振興課に、畜産振興室」に、「4人、」を「…

例規の立案で間違いやすい例(10)

雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成22年厚生労働省令第107号)(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正)第2条 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和47年労働省令第8号)の一部を次のように改正する。 (略…

外国人等に住民投票条例に基づく投票権を付与することについて

22市町に外国人住民投票権 自治体の無警戒さ浮き彫りに市政の重要事項の是非を市民や定住外国人に直接問うと定めた「市民投票条例」の制定を目指す奈良県生駒(いこま)市のほかに、事実上の外国人地方参政権容認につながる条例を制定している自治体が少なく…

例規の立案で間違いやすい例(9)

自治紛争処理委員の審査の手続に関する省令の一部を改正する省令(平成22年総務省令第87号) (略) 第35条第1項中……に改め、同条を第44条とする。 (略) 第33条第1項中……に改め、同条を第42条とする。 第4章を第5章とする。 第32条第1号中……に改め、…

議会に提出したが成立しなかった条例案

自治体において執行部が提出した条例案が議会で成立しないことは、今はそれ程珍しいことではないのかもしれないが、一昔前は想像できなかったことであり、それが起きれば大事件であっただろう。 西寺雅也前岐阜県多治見市長の御著書『自律自治体の形成』(P21…

「政策条例のつくりかた」

松下啓一先生から、御著書『政策条例のつくりかた』をいただきました。ありがとうございました。 この御著書には、政策条例の立案の過程が、原課の立場から具体的に記載されており、実践的な内容となっています。松下先生は、その立案過程のなかでも調査・調…

現在では用いられない改正方法(6)

連続する3以上の条について同じ改正をする場合において、当該条を指示するときには、「第○条から第×条までの規定中」とすることとされている。 この場合に、「第○条から第×条まで中」と指示しないのは、表現上違和感があることによるものであろうとされてい…

現在では用いられない改正方法(5)

前回記載した、法制執務研究会『新訂ワークブック』(P459)の引用部分の後段、すなわち、連続する4以上の条等の繰り下げの場合に、最後尾のものについては原則どおりの繰下げを行い、その前の3以上の条、項又は号については一括して繰下げを行うことの例外…